更新日:2023年3月25日 データの追加
完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。
普段イヤホンをレビューする際には必ず近い値段のイヤホンや新旧の比較をしてからレビューするようにしています。
ノイズキャンセリング(ANC)機能があればどの程度効くのかも比較チェックを入れます。
そんなレビューの積み重ねで貯まったメモの中からノイズキャンセリングに関するデータを抜粋。
表にまとめてランキング的に見れるようにしてみました。
読むのが面倒な方のために先に最強のノイキャンイヤホンを発表しておきます。
現時点の最強ノイキャンイヤホンはBose QuietComfort Earbuds IIです。
相当な数のANCイヤホンを使ってきましたが、その中でもダントツに優れたノイズキャンセリングだと思います。
音質的にもBoseらしい豊かな低音が楽しめますし装着感も抜群。
とてもおすすめです。
この後は
- 価格帯別ノイキャン強度TOP3
- ノイキャン比較表と解説
- 筆者おすすめのコスパ高なANCイヤホン
の順で紹介していきます。
ANC機能付きの完全ワイヤレスイヤホンを探している方の参考になれば幸いです。
- 完全ワイヤレスイヤホン・ノイズキャンセリング強度ランキングTOP3
- ノイズキャンセリングイヤホンのレビューデータと解説
- 【コスパ重視から最強まで】ノイキャン重視で選ぶおすすめの完全ワイヤレスイヤホン
- あとがき
完全ワイヤレスイヤホン・ノイズキャンセリング強度ランキングTOP3
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(スワイプで表を横にスクロールできます)
1万円以下 | 1万円台 | 2万円以上 | |
1位 |
EarFun |
Noble Falcon2 ANC (-43db+α) |
Bose QuietComfort Earbuds II (-43db+6α) |
2位 | SOUNDPEATS Capsule3 Pro (-43db) |
AVIOT TE-D01v (-43db+α) |
Apple AirPods Pro 2 (第2世代) (-43db+5α) |
3位 | Anker Life A2 NC (-43db) |
Anker Liberty4 (-43db) |
Bose QuietComfort Earbuds (-43db+4α) |
ノイキャン強度比較表から各価格帯のTOP3を抜き出した表となります。
1万円以下のノイキャンTOP3はほぼ同じ効き目ですが、ホワイトノイズが少なさ・機能性・値段などを考慮して順位付けしました。
強力なノイズキャンセリングの目安は消音力-40dbからです。
以前は高嶺の花だったノイズキャンセリングも2022年現在では1万円以内である程度強力なノイキャンが手に入るということになります。
SONYの旧ハイエンドイヤホンで現在も16000円~18000円くらいで販売されているWF-1000XM3のノイズキャンセリング効果が-38db程度だったことからも一定以上の効果をご想像いただけるかと思います。
圧倒的な効き目を実感したい場合は(-43db+2α)以上のものを選ぶと良いです。
ノイズキャンセリングイヤホンのレビューデータと解説
ノイズキャンセリングイヤホン・強度比較表
- 赤■は2万円以上のイヤホン
- 緑■は1万円台のイヤホン
- 青■は1万円以下のイヤホン
- イヤホン名クリックでレビュー記事に飛びます
ノイズキャンセリングの目安
- -28db=大きなノイズにはほぼ無力。口コミでも効果が弱いとする人が大半。
- -35db~38db=よく効くという人もいればあまり効かないという人もいます。使用環境によって実感に差が出るからではないでしょうか。大きなノイズには効果を実感しにくく小さなノイズならほぼ無音化できます。
- -40db=ほとんどの人が大きな効果を実感。強力なノイズキャンセリングと言われる境目となる数値です。
- -43db~-43db+α=-40dbよりさらに強力。
- -43db+2α~=業界最高クラスのANC。
ノイズキャンセリングの仕組み
ノイズキャンセリングの効果は【アクティブノイズキャンセリング+パッシブノイズキャンセリング】で決まります。
アクティブノイズキャンセリングはノイズに対して逆相の音をぶつけることでノイズを消す仕組みです。
パッシブノイズキャンセリングは物理的なノイズカット、つまり遮音性のこと。
この2つの総合力=ノイズキャンセル機能の消音力なのです。
なお、耳へのフィット感でパッシブノイズキャンセリングには個人差が出ます。
ANC強度はあくまで筆者の体感なので参考程度にお願いします。
アクティブノイズキャンセリングの種類
アクティブノイズキャンセリングにはいくつかの種類があります。
その種類をみるだけである程度のノイキャン強度の予測も可能です。
- フィードフォワードorフィードバック式ANC=-28db~-32db
- ハイブリッド式ANC=-35db~-38db
- 独自開発のANC=-40db~
1.フィードフォワード方式ANC
イヤホンの外側に設置されたマイクで外部のノイズを拾います。
そして外部ノイズの逆相の音を生成して打ち消すという仕組みです。
もっとも安価に実装できて、効果が最も薄いのもこのフィードフォワード方式。
2.フィードバック方式ANC
フィードバック方式はイヤホンの内側にマイクを設置します。
再生される音楽と外部から入ってくるノイズ。
その両方を拾って、ノイズだけをカットできるよう処理します。
フィードフォワード方式に比べて高度な処理能力が必要なため実装に費用がかかると言われています。
耳に近い位置でノイズを処理できるため、フィードフォワード方式より効果は高いです。
3.ハイブリッド方式ANC
フィードフォワード方式とフィードバック方式を合わせたノイズキャンセリング方式。
フィードフォワード方式で外部ノイズを打ち消し、それでも残ってしまうノイズをフィードバック方式でさらに打ち消すというもの。
高性能ノイズキャンセリングはほぼこの方式をとっていると言っても過言ではありません。
ノイキャン重視で選ぶなら商品のノイキャン説明に『ハイブリッド』や『○個(複数)マイクを搭載』の記載が無いノイキャンには要注意。
4.独自開発のANC
『独自開発のハイブリッドノイズキャンセリングを搭載!』
商品説明でそんな風に謳われているものは一般的なハイブリッドノイズキャンセリングより強力な場合が多いです。
ことさらに独自開発を謳っていないメーカーもあるので文言の有無が強弱を決定付けるわけではありませんが参考にはなると思います。
評価の基準
一部メーカーが公表しているノイズ低減値を目安にしています。
例えばShureのイヤホンは-37db。
ANCイヤホンでは-28db・-35db・-38db・-40dbなど。
数値が明らかになっているイヤホンとそれぞれ比較して強弱を確かめています。
手持ちのイヤホンではノイズキャンセリング-43dbが公表されている中での最高値なのでそれより効果があったものを-43db+α。
+αよりさらに効果があったものは-43db+2α‥とラベリング。
現時点での最高評価はBose QC Earbuds IIの-43db+6α。
ノイズキャンセリングの測定環境
騒音量が毎回違っていてはノイズキャンセリング効果を細かく比較することは出来ません。
なので騒音測定器を使って騒音量が一定になるようにしています。
我が家で簡単に大きく安定したノイズが得られる場所として換気扇下を採用。
風量MAX時の騒音が66dbです。
(かなりうるさい)
人の声などの中音に対する効果を比較するときにはTVの音量が約55dbになるように調整しています。
(一般的な会話のレベル)
もちろん電車での使用比較も行っております。
電車の騒音は約80dbだそうです。
これらを元にANCイヤホンでどの程度ノイズを低減できるか比較しています。
(引用元:音響の基礎:騒音の影響と評価・規制方法(PDF))
【コスパ重視から最強まで】ノイキャン重視で選ぶおすすめの完全ワイヤレスイヤホン
◆ノイズキャンセリング最重視で選ぶなら
多数レビューしてきたノイズキャンセリングイヤホンの中でも特にコストパフォーマンスに優れたものをセレクト。
ノイキャン重視で選ぶならこれ!というおすすめの完全ワイヤレスイヤホンを価格帯別に紹介します。
安いけど強力!U1万円ノイキャン最強ワイヤレスイヤホン
1万円以下でノイズキャンセリング機能を最重視するならEarFun Air Pro 3が特に優秀です。
コスパTWS界隈(1万円以下の完全ワイヤレスイヤホン)は今、このEarFun Air Pro 3とSOUNDPEATS Capsule3 Proが大人気でライバル関係にあります。
どちらを買うか悩む方も多いのではないでしょうか。
- マルチポイント対応で重低音なEarFun Air Pro 3か
- マルチポイントはないが音質のバランスが良いSOUNDPEATS Capsule3 Proか
ノイズキャンセリングはどちらも公称-43db。
使い比べてみてもノイズの消音力ほぼ同程度の効き目でした。
でも個人的にはノイキャン重視ならEarFun Air Pro 3を推します。
理由はホワイトノイズの有無。
効き目は同程度でもCapsule3 Proの方は若干ですがホワイトノイズが入ります。
Air Pro 3にはそれがない分、さらに優秀と言えるかなと。
ハイエンドイヤホンに全く引けを取らないほど高機能な完全ワイヤレスイヤホンなので非常におすすめです。
1万円台TWSはノイキャン視点では伸び悩み
1万円台はノイズキャンセリングだけでみると伸び悩みます。
この価格帯は音質や機能性などが低価格帯と比べて充実してくる価格帯。
ANC特化といえるのは1万をわずかに超えるくらいで買えるAVIOT TE-D01vくらいでしょうか。
低音のノイズカットはどのANCもある程度しっかりしているものですが、TE-D01vは中高音のノイズカット力も中々。
音質的には低音の量感が非常に多い重低音イヤホン。
ウーファーで聴いているかのようなボンボンな低音は好みの分かれるところですが、好きな人にはかなりウケそうです。
その他マルチポイント対応なのと超ロング再生可能なところがウリといえます。
密閉性を高めるため装着感にはかなり気を使っているようでフィット性が高く、多少の運動なら問題なく使えるでしょう。
2022年9月 最強のノイズキャンセリングイヤホンが更新される
2万円以降はANC最高クラスが出揃う価格帯。
その中でも長らくノイキャン1位を競ってきたSONY WF-1000XM4とBose QuietComfort Earbuds。
これらのノイキャン強度を超える完全ワイヤレスイヤホンが2022年9月に2つも一気に登場しました。
AirPods Pro 2 (第2世代)とBose QuietComfort Earbuds IIです。
以下はこの2つのノイキャン強度を比較した記事になります。
これまでのノイズキャンセリング強度を一気に更新するハイレベルな争いでした。
特にQuietComfort Earbuds IIは中音・高音へのノイズキャンセリング効果が非常に高いです。
これまで『ノイズキャンセリングって人の声はあまり消してくれないんだね』と感じていた方も驚くかと思います。
世界最高のANCをBoseが謳うのも納得の出来でした。
ANC重視で選ぶなら間違いなくQuietComfort Earbuds IIが最強のノイズキャンセリング完全ワイヤレスイヤホンです。
【QuietComfort Earbuds IIの詳細レビュー記事 】
あとがき
ノイズキャンセリング機能を使うと音楽への没入感がアップしてより楽しんでリスニングできます。
耳の消耗を抑える意味でも有用です。
(ノイズを音楽でかき消す必要がないので音量をあげすぎずに済みます)
一度使ったら手放せなくなる機能なので機会があれば是非試してみてください。