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TWSコレクターによるイヤホンレビューブログ

【SONY WF-C700N レビュー】前作WF-C500やVictor HA-FX150Tと使用比較して違いをチェック

Author:猫居こうた

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SONY WF-C700N Review

  • 長時間着けていても疲れない抜群の装着感
  • “ながら聴き”できる自然な外音取り込み機能
  • カスタマイズ性が高く癖のない聴きやすいサウンド
  • 他社製品に比べてコストパフォーマンスは悪い
  • 期待外れのノイズキャンセリング
総合評価
 
7.5/10

更新日:2023年5月12日 データや写真を追加

完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。

今回レビューするのはSONYの完全ワイヤレスイヤホン、WF-C700N。

ソニーのエントリー機WF-C500(レビュー)にノイズキャンセリング機能を搭載したモデルとなります。

ノイキャンエントリーモデルを謳う本作ですが、定価18000円は全然安くないですよね…。

試聴機で聴いた感じ、正直いらないかなと思ったんですけどノイキャンの効きを詳しくチェックしたくて予約購入してみました。

WF-C500や同価格帯のライバルイヤホンと使い比べて僕なりに感じた違いを紹介します。

SONY WF-C700Nの外観チェック

イヤホン本体

前作同様に物理ボタン式です。

前作WF-C500と並べて比べるとかなりコンパクトになったのがわかります。

イヤホンケース

ケースも少しコンパクトになっています

WF-C500と比較するとこんな感じ
半透明のデザインではなくなってチープさが減りました
が‥18000円のTWSにしてはちゃっちいですね
gif動画で雰囲気をチェック

イヤホンケースの蓋はやや硬め。
片手で開け締めするのは難しいです。

外箱と付属品

WF-C700N 外箱

WF-C700N 付属品

付属品リスト

  • イヤーピース
  • 充電用ケーブル
  • 説明書類

SONY WF-C700Nのスペックと測定結果

WF-C700NとWF-C500のスペック比較表

  WF-C700N
(Amazon)
WF-C500
(Amazon)
定価 約18,000円 約11,000円
連続再生時間 ANC OFF
10時間
20時間(ケース込)
ANC ON
7.5時間
15時間(ケース込)
10時間
20時間(ケース込)
ドライバー 5mm 5.8mm
コーデック SBC・AAC SBC・AAC
防水性能 IPX4 IPX4
ノイキャン
マルチポイント
(23年夏対応予定)
専用アプリ
低遅延モード
その他の機能 DSEE DSEE

前作WF-C500にノイズキャンセリング機能とマルチポイントがついた全部入りの廉価版という位置付け。

しかし値段もかなりアップしていて価格的には他社ミドルクラスに相当します。

圧縮音源をCD音質相当までアップスケーリングする「DSEE」など、SONY独自の機能にどれくらい魅力を感じるかがポイントとなりそうです。

便利機能 S・A・B・C・D

重さ・サイズ実測値

ケースサイズ 縦:75.4mm
横:33.7mm
高さ:30.0mm
重さ イヤホン:4.5g
ケース:30.0g

イヤホン・ケース共に軽量でコンパクトな部類です。

イヤホンケースは指紋や小傷が目立ちにくい加工がされています。

(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホンのケースサイズ比較)

携帯性 S・A・B・C・D

遅延測定結果

  Android・PC その他 iPhone
通常時 236ms
(SBC)
314ms
(AAC)
低遅延時 - -

100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。

SBC接続のAndroidなどで約0.236秒の遅延。

AAC接続のiPhoneでは約0.314秒の遅延です。

いずれの場合もゲームではやや遅延を感じると思います。

動画視聴はアプリ側で遅延補正してくれるもの(YoutubeやNetflixなどサブスク系全般)は問題ありません。

ただしiPhoneではYoutubeアプリの遅延補正がきかないのでブラウザから視聴する必要があります。

詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策

交換イヤーピース対応表

SONY
ハイブリッドイヤーピース(M)
AZLA
SednaEarfit Crystal(M)
SONY
トリプルコンフォートイヤーピース(M)
final
TYPE E(M)
COMPLY
TG-200 トゥルーグリップ(M)
Spinfit
CP360(M)
後継→OMNI
NUARL
Magic Ear+(M)
後継→Magic Ear+7
   

(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)

素直なノズル形状にイヤホンケースの溝も広め。

割りと多くのイヤーピースに対応できそうです。

TG-200 トゥルーグリップは装着できますがかなり緩めだったので△としました。

SONY WF-C700Nを前作WF-C500等と比較レビュー

音質評価

音の傾向自体はWF-C500と同じようです。

低音の量感はそこそこでボーカルの表現力を重視。

WF-C500と聴き比べると中〜高音域の明瞭感が落ちているのが気になります。

ボーカルの艶感がかなり損なわれているのが痛いかなと。

ややのっぺりしたサウンドになってしまったように思います。

物足りないと思ったらイコライザーでかなりいじれるのが救いですね。

しかし18000円のTWSとしては平凡な音質というのが正直な感想です。

国内メーカーの同価格帯ノイキャンTWSならVictor HA-FX150Tのほうが明らかに音は良いと感じます。

他にもハイエンドながら値下がりして同価格帯まで落ちてくることもあるYAMAHA TW-E7Bとか。

音質評価
 
7.5/10

ノイズキャンセリングの効き目を比較

中程度の換気扇ノイズも消しきれずある程度ノイズが残ります。

18000円のノイキャン、ソニーのノイキャンとしては明らかに期待外れ。

音質評価の項目で例に上げた2つと比較。

Victor HA-FX150Tはノイキャン最弱レベルなのですが、ほぼこれと同程度。

僅かにWF-C700Nのほうがノイズカットできているかなというくらいです。

-30dbのEarFun Air Sと同じくらいの効き目を確認。
-30db相当と評価しておきます。

無音化は期待できず、ある程度ノイズを遠ざけるくらいの効果です。

(参考⇒SONY WF-C700Nのノイズキャンセリングの強さを他のANCイヤホンと相対比較 )
最強がわかる!ノイズキャンセリングイヤホンの強さ比較ランキング

ノイキャン
 
4.5/10

外音取り込み機能の評価

ノイキャンと違い外音取り込み機能は非常に優秀です。

外音取り込み量をアプリで調整することが可能。

イヤホンをしていないときより大きく外音を取り込むことも自然な聞き心地で取り込むこともできます。

一個上の機種でソニー版AirPods Proと言える存在のLinkBuds Sと比べても大差ないくらいの“ながら聴き”が可能でした。

取り込み量最大だとやや雑味も強めなので少し取り込む量を落としてあげると自然な聞き心地になります。

外音取り込み
 
9/10

装着感評価

前作より0.4mmほど薄くなっていました

WF-C500より小型化して装着感も良くなりました。

測ってみると厚さで0.4mmほど薄くなっていました。

数字でみると僅かなように見えますが装着感には結構大きな違いがでます。

装着時の圧迫感もなく、ある程度長時間の着用も苦になりません。

ただLinkBuds Sのほうがもっと小さく装着感もさらに良いです。

装着感
 
9/10

マイク性能・通話品質について

クリアに声は聞こえますがやや機械で処理したような聞こえ方です。

また、周囲のノイズはかなりはっきりと拾ってしまいあまりノイズカットしてくれません。

特別優秀というわけではありませんが、うるさいところでの通話以外は特に問題ないかなという印象です。

通話品質 S・A・B・C・D

専用アプリ【Headphones】の主な機能

ホーム画面

アダプティブサウンドコントロール

行動に応じてノイキャン・外音取り込みを自動切り替えしてくれます。

(例)

  • よく行くコンビニに入ったら外音取り込み機能をON
  • 電車ではノイキャンON、走っているときは外音取り込み機能ON 等

イコライザー

数種類のプリセットが用意されています。

カスタムで好みに設定することも可能。

CLEAR BASSで低音だけ独立して増減できるようになっています。

ボタン操作のカスタマイズ

以下の3パターンのうち2パターンを左右に割り振ることができます。

  • 外音コントロール(ノイキャン切替)
  • 再生コントロール
  • 音量コントロール

デフォルトでは音量コントロールが外れています。

細かく好みに設定できないのは残念ですが、一応今後のアップデートで4クリック目に音量コントロールが追加されてすべての操作をイヤホンから行えるようになるようです。

アプリ総評

一部使えない機能はあるものの基本的な使い勝手はハイエンドWF-1000XM4と同様で使い勝手は良いといえます。

アダプティブサウンドコントロールによるノイキャンと外音取り込みの自動制御が非常に便利ですが、WF-1000XM4ほどノイキャンが強力ではないのでノイキャン時の物足りなさはあります。

マルチポイントと音量調整の機能追加時期

2023年夏頃にマルチポイント対応予定。

ボタン4回押しで音量調整もできるようになるみたいです。

SONY WF-C700Nの使い方と注意点

【クリックで表示】

ペアリング方法

イヤホンを収納した状態でケースを開くと初回ペアリング開始です

接続するデバイスのBluetooth設定画面を開き、
WF-C700Nを選択すればペアリング完了です

リセット方法

イヤホンを収納した状態で
ケース背面のボタンを20秒間長押しでリセット完了です

充電方法

付属の充電用ケーブルで充電できます。

10分の充電で1時間再生可能な急速充電に対応しています。

ワイヤレス充電には非対応です。

操作方法

  L側 R側
1クリック モード切替
・ノイズキャンセリング
・外音取り込み機能
再生/停止
2クリック - 曲送り
3クリック - 曲戻し
4クリック 音量調整
(実装予定)
音量調整
(実装予定)

外音コントロールが左。

再生コントロールが右。

これがデフォルトの操作方法です。

4クリック目の音量コントロールが実装されれば一応全操作イヤホンから可能ということで操作性S評価となります。

操作性 S・A・B・C・D

注意点:マルチポイントはアップデートで追加される機能

2台同時接続できるマルチポイント機能は2023年夏に追加予定の機能です。

専用アプリからファームウェアアップデートすることで機能が追加されます。

初期状態のままでは使えないという点には注意が必要です。

説明書

SONY WF-C700N WEB取扱説明書

総評と代替候補について

メイン機能評価

音質
 
7.5/10
ノイキャン
 
4.5/10
外音取り込み
 
9/10
装着感
 
9/10

使い勝手評価

操作性 S・A・B・C・D
携帯性 S・A・B・C・D
便利機能 S・A・B・C・D
通話品質 S・A・B・C・D

ソニー製なので大外れはないです。

一定の水準には達しています。

ただ他と比較してコスパがいいとも言い難いですね。

音質、ノイキャンはなんとも中途半端な出来。

装着感や“ながら聴き”としての性能は高いですが、同じようなコンセプトでより高音質、高ノイズキャンセリングなLinkBuds Sがあります。

量販店だとLinkBuds Sが27800円、WF-C700Nが17800円くらいでしたかね。

この価格差なら廉価版みたいな感じで選択肢に入りそうにみえます。

が…

AmazonだとLinkbuds Sは21800円くらいなんですよね。

それだったら少し足してLinkBuds Sを選んだほうが圧倒的に満足度高いと思います。

それかWF-C700Nが値下がりして15000円を切ったら選択肢としてなくないのかなと。

あとは物理ボタン式という点ですね。

物理ボタン式で多機能なTWSはあまりないので物理ボタン式が好みという方には貴重な選択肢となるかもしれません。

代替候補について

音の傾向に違いはあれどマルチポイント対応ノイキャンTWSとしての性能はAnker Liberty 4JBL LIVE FREE 2のほうが明らかに総合力が高いです。

どちらも15000円くらい。

なのでそれよりも安くなれば…という感じですね。

今回は以上です。

また次回のレビューでお会いしましょう。