- 綺麗に伸びる美しい高音、美麗サウンド
- 最高級のつけ心地、『ながら聴き』も高レベル
- イコライザーで自在な変化、重低音化すら可能
- マルチポイントが自動接続しない
- 低遅延モードが使いにくい
総合評価 |
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9/10 |
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更新日:2024年4月4日 最新の基準に合わせて総合評価を修正
TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはNUARLの完全ワイヤレスイヤホン、NEXT1。
約3万円のハイエンドTWSですね。
【自分音(ね)】に染まるをコンセプトにした音質重視のTWS。
ノイズキャンセリング機能・2台同時接続可能なマルチポイント・ハイレゾ音源で再生可能なコーデックLDACにも対応。
機能面もハイエンド機として申し分ない性能です。
特徴的なのが独自機能として搭載されたピュアダイレクトイコライザー(PDE)。
イヤホン内蔵のプリセットを経由しないピュアな音質調整が行えるそうで、100億通りの音色チューニングが可能だとか。
音質やノイキャンの効き具合、遅延の測定結果などなど‥
詳しくチェックしていきます。
NUARL NEXT1の外観チェック
イヤホン本体
gif動画で雰囲気をチェック
イヤホンケース
付属品
付属品リスト
- イヤーピース(Block Ear+7)
- イヤーフック
- 充電用ケーブル
- クイックガイド
- 説明書はWEBのみ【こちら(PDF)】
NUARL NEXT1のスペックと測定結果
スペック表
NEXT1 | |
価格 | 29,700円 |
連続再生時間 | 7.5時間 20時間(ケース込) |
コーデック | SBC・AAC・LDAC |
防水性能 | IPX4 |
機能 | ノイキャン 外音取り込み 低遅延モード マルチポイント 専用アプリ ワイヤレス充電 |
完全ワイヤレスイヤホンに求められる便利機能は全て入っていますね。
正直NUARLは音は良いけど機能面はあまり洗練されていない印象が強いですが‥
それぞれの機能がちゃんとしているかしっかりチェックしていきます。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:46.4mm 横:71.6mm 高さ:28.5mm |
重さ | イヤホン:5.7g ケース:44.6g |
ケースはコンパクトな部類だと思います。
重さは平均的ですね。
遅延測定結果(要注意)
- SBC=332ms
- SBC(ゲーミングモード)=188ms
- LDAC=314ms
- LDAC(ゲーミングモード)=316ms
100ms=0.1秒です。
この測定環境では有線イヤホンで50msほど遅延を観測します。
なので結果から-50msすると実態に近い数値となると思われます。
188-50=138ms
もっとも遅延が少ないSBC接続時のゲーミングモードで約0.14秒の遅延です。
音ゲーは無理にしても普通のゲームや動画を観る分には問題のない数値。
しかし、LDAC接続時はゲーミングモードにしても効果を実感できませんでした。
そしてLDACのON/OFFをアプリで制御することもできません。
開発者向けオプションで接続コーデックをSBCに切り替えてゲーミングモードにする必要があるわけです。
開発者向けオプションでコーデックをかえても設定は保存されないので低遅延にしたい場合は毎回この作業が必要になります。
SONYのWF-1000XM4やAnkerのLDAC対応イヤホンのようにアプリでLDACの切替ができるようになることを望みます。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal for TWS(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
✕ | Spinfit CP360(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) |
✕ |
自分がよく使うTWS用イヤーピース+SONY イヤピ2種との対応表です。
付属のイヤーピースは「Block Ear+7」。
今後一般販売されるようです。
かなり良いイヤーピースだと思います。
付属のイヤピでも軽い装着感ですがSednaEarfit Crystal for TWSを使うとさらに軽い付け心地に。
音質的なバランスも考えるとBlock Ear+7の方が良いかなと思いますが、エアリーな装着感を追求したい方にはおすすめです。
NUARL NEXT1の詳細レビュー
音質評価
10mm LCP振動板ダイナミック型「M2 NUARL DRIVER」を搭載。
ニュートラルで癖のないクール系サウンドです。
美音と呼ぶに相応しいクリアな音が魅力。
特に艶のある高音は素晴らしいと思います。
僕はNUARLのイヤホンではN6 Proが非常に好きな音だったのですが、まさに正当進化といった感じ。
低音は全体を下支えする適度な量感でサラッと鳴ります。
ボーカルは前過ぎず後ろ過ぎず真ん中のポジショニング。
そこに高音が美しく響く。
とにかく明瞭です。
また、素直な音の出+ピュアダイレクトイコライザーのおかげでかなり自在に音の変化をつけられます。
特に低音は持ち上げると凄いパワーが出ます。
破綻せず音が変化してくれるので、普通に重低音イヤホンのように鳴らすこともできたり。
そのままの美音を楽しんでもよし、メーカーのアピール通り『自分音』を楽しんでも良し。
音に関する満足度はかなり高いです。
ただイコライザーの使い勝手については少々思うところがあるので後述します。
ノイズキャンセリングの比較結果
低音ノイズを中心にそこそこのカット具合。
完全にノイズを消すことは難しく、ある程度遠ざけるくらいの効き目です。
効果はそれなりですがノイキャン時の圧迫感が少なめなのが好印象です。
比較結果としては-38dbのANCイヤホンよりは弱く、-35db相当のVictor HA-FW1000TやSOUNDPEATS Mini Proなどと同等の効き目でした。
ハイエンドTWSは音質への影響を避けるためあまり高機能なノイキャンは積まない傾向にあります。
(参考)
⇒ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめと最強がわかる比較表
外音取り込み機能評価
違和感のない非常に自然な外音取り込み音。
イヤホンをしていないときと同じように外音を聞けます。
装着感も軽いので【ながら聴き】の快適度はAirPods Pro2並。
音質はAirPodsとは比較にならない程良いのでNEXT1での【ながら聴き】、個人的にとても気に入っています。
装着感について
柔らかい印象を受けるデザインと同様に装着感も非常に軽くて快適です。
つけている感覚が薄いくらいの軽さ。
イヤーフックもイヤーピースも軽く添える程度の感触ですが、ちゃんとフィットします。
この絶妙な装着感はこれまで自分が使ってきた完全ワイヤレスイヤホンの中でもトップクラスに優秀。
音質と装着感がここまでハイレベルに両立されているものは数少ないと思います。
優秀なマイク性能
マイク性能も優秀で非常にクリアに音声を届けてくれます。
生の声に近い聞こえ方です。
また、周囲の騒音を遠ざける通話用のノイズキャンセリング効果も優秀。
intelliGO社のAIVC™ AI通話ノイズキャンセリングを採用しているそうですが‥中々すごいです。
騒がしいところでの通話も難なくこなせます。
専用アプリ【NUARL Connect】の主な機能
ホーム画面
レトロというか‥シンプルなアプリ画面ですね。
わかりやすくて個人的には好きです。
ノイズキャンセリングの制御
モードが何なのか、説明が無くてよくわかりません。
ANC強度の設定も可能。
それほど強いノイキャンではないのでON/OFF以外は使わないかも。
左イヤホン3クリックでもON/OFF出来ます。
外音取り込み機能の制御
こちらもモードについては説明なし。
外音取り込み量を調整できます。
右イヤホン3クリックでON/OFF可能です。
ゲーミングモードの制御
前述した通りLDACでは効果がありません。
SBCでつなぎなおした上でゲーミングモードを使いましょう。
(音楽停止中に)左イヤホンを長押し2秒でもON/OFF切替可能です。
イコライザー機能
プリセットは2種類。
カスタムは↓画像のようにいじれます。
素直に変化がついて思い通りの音にできます。
低音をかなり盛ってみたり色々試すと楽しいです。
が‥!
カスタム設定のリセットボタンは用意してほしかったかな‥
ニュートラルに戻すのにいちいち全部のバーをゼロに合わせないといけないのは面倒です。
操作方法の切替
操作方法のカスタマイズはできず、2つから選ぶ形になっています。
アプリ総評
目玉のピュアダイレクトイコライザー(PDE)はたしかに素晴らしい。
しかしプリセットはもう少し用意しても良かったのでは。
TWSはその手軽さからマニア以外もハイエンド製品に手を出すわけですから。
イコライザーをどういじっていいのかわからない人も結構いると思います。
(いじるのが面倒な人も)
重低音とか色々なプリセットがあって、そこから更に自分好みにちょっと上げ下げできるような。
そういう仕組みになっていたらもっと色んな人が楽しめるのになと。
素材が良いだけにそんな風に思ってしまいます。
あとは再三になりますが、LDACの切替は是非アプリから出来るようにしてほしいですね。
NUARL NEXT1の使い方と注意点
ペアリング方法
マルチポイント接続方法
NEXT1がどのデバイスとも接続していない状態でケースから取り出し、数秒待ちます。
しばらくするとLEDが交互に点滅=ペアリングモードに入るので2台目と接続しましょう。
リセット方法
左右両方のボタンを白色LEDが点滅するまで長押しでリセットできます。
充電方法
付属の充電用ケーブルで充電できます。
その他、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。
(Qi規格の充電パッドは別売り)
操作方法
L側 | R側 | |
1タップ | 音量UP | 音量DOWN |
2タップ | 再生/停止 | 再生/停止 |
3タップ | ノイキャン ON/OFF |
外音取り込み機能 ON/OFF |
長押し(2秒) | 音楽再生中 ⇒曲戻し 音楽停止中 ⇒ゲーミングモード |
音楽再生中 ⇒曲送り 音楽停止中 ⇒音声アシスタント |
ちょっとややこしい操作方法になっています。
UP系操作(音量UP・曲送り)とダウン系操作(音量ダウン・曲戻し)が左右に入り混じっているのが‥
Victorじゃないんだからやめていただきたい。笑
タップ感度など操作性に問題はありませんが、操作方法を覚えるまで少し苦労するかもです。
注意点1:マルチポイントにちょっと癖あり
デバイスAとデバイスBにペアリング登録していたとします。
普通のマルチポイントTWSの場合
AにBluetooth接続中にBのBluetoothをオンにする。
するとBも自動接続され、2台同時接続状態になります。
NEXT1の場合
先にAと繋がっている状態でペアリング済みのBのBluetoothをオンにしても自動では接続されません。
Bluetooth設定画面の『ペアリング済みの機器一覧』からNEXT1の名前をクリックしてやる必要があります。
ちょっと面倒な仕様ですね‥。
注意点2:ゲーミングモードはSBCのみ適応
遅延測定結果で書いた通り、LDACではゲーミングモードの効果がありません。
しかしLDACのオンオフはアプリから行えないので開発者モードでSBCに設定し直す必要があります。
これも面倒な仕様です。
メリット・デメリットのまとめ
NUARL NEXT1を選ぶメリット
綺麗に伸びる美しい高音、美麗サウンド
高音好きなら買って間違いなしといえるほど素晴らしい高音。
低音重視の音が多いTWSでは貴重な存在です。
最高級のつけ心地、『ながら聴き』も高レベル
装着感も抜群に良いです。
外音取り込み機能のレベルも高く、違和感のない『ながら聴き』が可能。
イコライザーで自在な変化、重低音化すら可能
ピュアダイレクトイコライザーで自在に音の変化をつけられるので永く楽しるイヤホンです。
ローに寄せれば心地良い低音を聴かせてくれますし、中々に万能です。
NUARL NEXT1を選ぶデメリット
マルチポイントが自動接続しない
2台目のデバイスと接続するのに毎回手動でBluetooth設定画面を開く必要があります。
毎回ペアリングしなおすよりははるかに楽なのでマルチポイントの意味がないとは言いませんが‥
ちょっと面倒です。
低遅延モードが使いにくい
LDAC対応デバイスの場合、SBCでつなぎ直さないと低遅延モードの効果を得られません。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
9.3/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
6/10 |
外音取り込み |
|
10/10 |
装着感 |
|
10/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
NUARL NEXT1は美麗サウンドが特徴的な高音好きにはたまらない完全ワイヤレスイヤホン。
イコライザーで重低音に変化させることもできる柔軟さも魅力です。
また、個人的には『ながら聴き』のレベルが高い点を非常に気に入っています。
つけていることを忘れそうになる軽い装着感と自然な外音取り込みで快適な『ながら聴き』が可能です。
マルチポイントや低遅延モードはちょっと使いにくい仕様になっていますが、我慢できないレベルではないかなと。
デザインも美しく所有欲を満たしてくれるイヤホンです。
2022年最後のイヤホンレビューとなりますが、とても良いTWSでした。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。