MOMENTUM True Wireless 4 | |
発売日 | 2024年3月1日 |
価格 (発売時) |
49,940円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 7.5時間/30時間 |
コーデック | SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive/aptX Lossless/LC3* |
ドライバー | 7mmダイナミックドライバー |
防水性能 | IP54 |
Bluetooth Ver. | 5.4 |
機能 | ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・低遅延モード・Auracast*・イコライザー・着脱検知・専用アプリ・ワイヤレス充電・急速充電(8分→1時間) |
資料 | 公式サイト / 説明書 |
*LC3とAuracastはアップデートで対応予定
- 前作を上回る高音質
- 最上位クラスの強力なノイキャン
- サウンドパーソナライゼージョンで好みの音に柔軟に合わせることが出来る
- お高い
- 外音取り込み機能を無音で使用すると左耳から異音が鳴る
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
今回レビューするのはゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン、MOMENTUM True Wireless 4。
2022年の当サイト最高評価TWS、MOMENTUM True Wireless 3の後継機に当たるハイエンドモデルです。
高い完成度を誇った前作と比べて音質やノイズキャンセリングはどの程度レベルアップしているのか?
- 1万円値上がりし約5万円となったその価格に見合う価値はあるのか?
- 2023年の代表作Technics EAH-AZ80やSONY WF-1000XM5と比べてどうなのか?
この辺を念頭にレビューしていこうと思います。
先に総評を紹介します。
より詳細な内容は目次以降をご覧ください。
総評 |
9.5/10点 音場が広く、柔らかさが感じられるゼンハイザーらしい音。 |
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音質 | 9.9/10 | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | 9.5/10 | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 8/10 | 操作性 | SABCD |
装着感 | 9/10 | 通話性能 | SABCD |
- ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4とは
- MOMENTUM True Wireless 4の外観・付属品チェック
- MOMENTUM True Wireless 4 測定データ
- ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4 詳細レビュー
- 前作との採点比較と主な違い
- ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4 総合評価
ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4とは
MOMENTUM True Wireless 4の特徴
https://www.sennheiser-hearing.com/ja-JP/p/momentum-true-wireless-4/
『特徴』
- インパクトのある低音と精細な高音が彩る最高のサウンド体験を実現するTrueResponseトラスデューサーシステムを採用
- 最新世代のアダプティブノイズキャンセリング技術で周囲のノイズに合わせてノイズキャンセリングを自動調整
- 各種サイズの柔らかいシリコン製イヤーチップとイヤーフィンにより、長時間のリスニングセッションでも快適にフィット
- ドイツのFraunhofer IDMTと共同で開発されたSound Personalization機能によりユーザーが最も好む音楽要素を軸としたリスニング体験を形成
- 最長30時間の再生時間 & 高速Qiワイヤレス充電。バッテリープロテクションモードにより長期間使用した際もパフォーマンスが低下しづらい
- 高品質の6-マイクシステムにより、騒がしい環境でも通話中のあなたの声を完全に伝達。対話の感覚を再現する通話仮想化技術により、疲れることなく自然にコミュニケーションを取ることが可能。
- マルチポイント対応:2台のデバイスと同時接続が可能
- フューチャープルーフテクノロジー:AuracastとLE Audioに対応
MOMENTUM True Wireless 4と前作MOMENTUM True Wireless 3のスペック比較表
MOMENTUM True Wireless 4 (Amazon) |
MOMENTUM True Wireless 3 (Amazon) |
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定価 | 49,940円 | 39,930円 |
連続再生時間 |
ANC OFF |
ANC OFF 7時間 28時間(ケース込) |
ドライバー | 7mmダイナミックドライバー | 7mmダイナミックドライバー |
コーデック | SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive/aptX Lossless/LC3 | SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive |
防水性能 | IP54 | IPX4 |
ノイキャン | ○ | ○ |
マルチポイント | ○ |
○ |
専用アプリ | ○ |
○ |
低遅延モード | ○ | - |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ |
通話用マイク | 6 | 6 |
新旧、スペック上の主な違い
- バッテリー性能が上がった:再生時間が増えたことよりもバッテリー保護機能でより長く使えるようになったことが大きそうです
- 防塵性能が付いた
- 低遅延モードを搭載
- LE AudioやAuracastといった最新技術にも対応
前作がいまでも現役で通用する完成度ということもあり、スペックを見比べてもそれほど大きな違いはありません。
LE AudioやAuracastはまだ実用的に使える場面が無いので将来への投資といった感じですしね。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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MOMENTUM True Wireless 4の外観・付属品チェック
イヤホン本体
タッチセンサー式。
表面にメタリックな光沢が入ったことで前作より高級感が出たように思います。
電池持ちを良くするバッテリー保護モードが搭載されており、アプリでON/OFF出来ます。
【画像6枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
イヤホンケース
ワイヤレス充電に対応。
8分の充電で1時間再生可能な急速充電にも対応しています。
ファブリック素材のイヤホンケースはデザイン・サイズ感など前作とほぼ同じですが、ヒンジの質感が良くなったようでケースの開閉がより滑らかになっていました。
【画像6枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- イヤーフック
- 充電用ケーブル
- 説明書類
MOMENTUM True Wireless 4 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:44.5mm 横:70.0mm 高さ:34.9mm 三辺合計:149.4mm |
重さ | イヤホン:6.0g ケース:64.8g |
イヤホンケースは昨今のTWSと比較すると凄くコンパクトとは言い難いですが、ぎりぎり邪魔にならないくらいのサイズ感ですね。
携帯性はB寄りのAといった評価となります。
重さはイヤホン・ケース共にかなり重めです。
特にケースは軽いものと比べて2倍くらいあります。(といっても気になるような重さではありませんが)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 246ms(SBC) 280ms(AAC) 245ms(aptX) 201ms(aptX Adaptive) |
280ms(AAC) |
低遅延時 | 149ms(SBC) 186ms(AAC) 145ms(aptX) 105ms(aptX Adaptive) |
186ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時65msの遅延を観測します。
結果から-65msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最小遅延=約0.105秒
- iPhone接続時の最小遅延=約0186秒
アプリから低遅延モードに切り替えることが出来ます。
aptX Adaptive接続時の低遅延モードが特に優秀で、音ゲー以外の普通のゲームや動画視聴はストレスなく楽しむことが出来るでしょう。
AACで接続するiPhoneの場合はゲームをするには向かないくらいの遅延。
YoutubeやNetflixといったアプリ側で遅延補正してくれるものは動画視聴も問題ありません。
(iPhoneでYoutubeアプリを使う場合を除く→詳細)
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
オーディオテクニカ AT-ER500(M) |
○ | Spinfit OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
○ |
イヤホンケースの溝に余裕があり、大抵のイヤーピースが装着できました。
TWS専用のものでなくても結構いけます。
ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4 詳細レビュー
音質評価:ワンランク上のサウンドへ
前作Momentum True Wireless 3より明確に音質が良くなっています。
デフォルトでは非常にフラットな音です。
そのままだとちょっと味気ない音かなと感じるのですが、サウンドパーソナライゼージョンで音質を最適化すると見違えるほど良い音になります。
最適化はかなり自由度の高い設定が可能で、どの帯域を伸ばしても非常にレスポンスが良いです。
アプリの指示に従って好きな音を選んでいくと音質が最適化される機能
最後に↑画像のように青い円を動かすことで自由に調整することができます
SONY WF-1000XM5やTechnics EAH-AZ80と聴き比べると、個人的にはMOMENTUM True Wireless 4の方がだいぶ良い音と感じました。
前作MTW3含めてMTW4の方が1万円ほど高いわけですが、リスニングの満足度は価格上昇分以上の価値があるのではないかと思います。
MTW4のあとにこれらを聴くと物足りなさを覚えるくらいには良いです。
前作のような広大な音場感はそのままに全体の解像度がアップしています。
特に中音・高音の質感がとても良くなっていて、フラットで高音が綺麗に鳴るEAH-AZ80と比べてもMOMENTUM True Wireless 4の方が高音が出るのですが、それでもキツさを感じない柔らかさがあり、非常にレベルが高いです。
低音も非常に深みがあって、そのレスポンスの良さは低音の質感が非常に良いWF-1000XM5以上。
4万円前後の完全ワイヤレスイヤホンよりワンランク上の音質と言える、凄く良い出来栄えです。
プリセットやカスタムEQも用意されていますが、サウンドパーソナライゼージョンが優秀なのでそちらから微調整した方が良いと思います
音質 |
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9.9/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較:最上位クラスの消音力
周囲の騒音に合わせてノイキャンが最適化されるアダプティブノイズキャンセリング
風切音防止モードにすると風切り音を抑えることができます
アダプティブノイズキャンセリングなので周囲の騒音に対して都度ノイキャンの強度が最適化されます。
大きなノイズに当てた際、最大強度になるまでに6、7秒ほどかかる印象。
なので最初はEAH-AZ80と同じくらいかなぁという効き具合から、さらに1~2ランク消音力がUPして最終的にはSONY WF-1000XM4を僅かに超えるくらいの消音力に到達。
かなり大きな騒音もほとんど気にならないレベルまでカットしてくれる、非常に優秀なノイキャンです。
最強クラスのBose QCUEやWF-1000XM5には及びませんが、音質とノイキャンの総合力では2024年3月時点ではTOPと言えるでしょう。
こちらも前作からかなりのパワーアップ度合いです。
(参考:ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4のノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
ノイキャン |
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9.5/10 |
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外音取り込み機能の評価:無音時に左から異音あり
ノイズキャンセリングと違って強度を調整可能。
トランスペアレンシーモード時に音楽を一時停止するかどうかも選択でき、取り込み方や量は違和感なく自然でとても良いのですが…
外音取り込みをONにすると無音時に左耳(L側)から「キーン…」とモスキート音のような異音がします。
取り込み量が【高】寄りだと実際の外音より大きく外音を拾うので、自然な音量の【中】くらいに落としてあげると「キーン…」音もだいぶ小さくはなります。
音楽を流せば気にならない、というか音楽を流すと「キーン…」音も止むので“ながら聴き”は問題ありません。
しかし、音楽を一時停止して無音のまま外音取り込みを使いたい場合は注意です。
自分は無音のままヒアスルーONというのを割りと良くやるので、結構鬱陶しいです…。
(自分のだけの不具合かな?とも思ったんですが、先日簡易的にレビューをUPしたあと複数の方から同じ症状が出ていることを教えていただきました)
外音取り込み |
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8/10 |
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装着感評価:しっかりフィットしつつ耳疲れしない
装着時の見た目
耳穴にすっぽり入って安定するMTW3に比べてMTW4はイヤーフックを耳の溝にフィットさせて安定させる感覚。
装着感の軽さが少し減ってフィット感は増したという感じで、ここはうまい調整がなされているように思います。
最初は着け心地の軽さが減った分装着感悪くなったかな?と思ったんですが、長時間着けっぱなしでも耳が全然痛くならないのでフィット感が増した分、前作よりむしろ良くなったかもしれません。
完成度の高い着け心地です。
正しく装着できているかチェックする機能もあります
装着感 |
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9/10 |
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マイク性能・通話品質:ちょっとノイズに弱いか
声はクリアで自然な聞こえ方でした。
ただ、ノイズや風切り音には弱いようです。
周囲の雑音はあまり低減できていないような印象で、ざわざわした周りの音も普通に拾っていました。
風切り音もモロに入ってしまい、風が強いとちょっと声が聞き取りづらいです。
静かな場所での通話に向いています。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
操作方法 / 割り当て可能な操作
L側 | R側 | |
1タップ | トランスペアレントモード | 再生/停止 |
2タップ | 曲戻し | 曲送り |
3タップ | ノイズキャンセリング | 音声アシスタント |
長押し | 音量DOWN | 音量UP |
ゼンハイザーのTWSは非常に操作性が良く、多くのTWSを使ってきた中でも個人的には特に気に入っています。
長押しでの音量調節は押しっぱなしにすると段階的に上げ/下げしていくので、ちょうどいい音量まで押しっぱなしにしておくだけでOKです。
トランスペアレントモードへの切り替えも瞬時に行われるので、外音を聞きたいときに1タッチでさっと切り替えることが出来ます。
割り当てできる操作も豊富で、ロックまで割り当てられるイヤホンはこれまで中々なかったんじゃないでしょうか。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【Smart Control】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- サウンドパーソナライゼージョン
- 操作カスタマイズ
- フィットテスト
- サウンドゾーン*1
- 着脱検知のON/OFF
- 低遅延モード*2
- バッテリー保護モード
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
設定画面
*1サウンドゾーン
サウンドゾーンは特定の場所でノイズコントロールやイコライザーを自動で変更する機能。
例えば近所のコンビニを設定して、「コンビニに入っている間は外音取り込み機能をON / 外に出たら自動でノイキャンモードに戻る」といった具合です。
SONYのアダプティブサウンドコントロールに似た機能ですね。
*2低遅延モード
低遅延モードへはアプリ設定画面のオーディオ解像度から変更することが出来ます
使って気付いた注意点
低遅延モードへの切り替えは再起動が必要
アプリから低遅延モードに切り替えても一度ケースに入れて再度電源をONにしないと適応されません。
aptX Adaptiveは状況に応じて自動で低遅延モードに切り替わってくれるのであまり気にしなくてもいいと思いますが、任意に切り替えたい時にぱっと切り替えられないのはちょっと不便ですね。
マルチポイントは割り込み不可
マルチポイント中の割り込み再生は出来ませんでした。
前作との採点比較と主な違い
MOMENTUM True Wireless 4 | MOMENTUM True Wireless 3 | |
音質 | 9,9/10 | 9.7/10 |
ノイキャン | 9.5/10 | 9/10 |
装着感 | 9/10 | 9/10 |
外音取り込み | 8/10 | 9/10 |
採点を見比べると逆に悪くなっているところもあったりして1万円値上がった価値があるのか?と思われてしまいそうですが…
先述の通り、音質的な満足度は値上がり分以上のものがあると思います。
単純に音が良くなっただけでなく、サウンドパーソナライゼージョンが優秀で使う人の好みに合った音に調整しやすくなりました。
ノイズキャンセリングも凄く良くなっています。
逆にそれ以外の部分はそれほど変わっていないとも言えます。
前作時点で凄く完成度の高いイヤホンだったので、MTW2→MTW3のような物凄い進化というわけではありません。
順当なパワーアップといった感じですね。
個人的には値上がり分の価値はあると思うので、予算が許すならば買い替えも全然アリだと思います。
ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4 総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
9.9/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9.5/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9.5/10
ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 4は最高クラスの音質とノイキャンで騒音が気になる外出時のリスニング体験をワンランク上のものにしてくれます。
約5万円とお高いのが気になるところですが、MTW4で聴いたあとにMTW3やTechnics EAH-AZ80・SONY WF-1000XM5で聴くとやや物足りなく感じるくらいには音が良いので、総合力で特に音質を重視する方にはおすすめです。
逆にコストパフォーマンスや外音取り込みなども含めた総合力では昨年TOP評価だったTechnics EAH-AZ80の方に部があるかなと感じます。
音質とノイキャンのMTW4か、コスパと機能性も含めた総合力のAZ80か。
どちらも優秀なのは間違いないので予算に応じて選べばまず間違いないでしょう。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。