完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。
『iPhoneでBluetoothイヤホンを使ってYoutubeの動画をみていると遅延・音ズレが気になる‥』
そういう経験のある方、意外と多いのではないでしょうか。
今回はその理由と対処法について説明します。
(Bluetoothイヤホンと書いていますが対処法1についてはBluetoothヘッドホンなどでも同様の効果が得られます)
- BluetoothイヤホンでYoutube動画を観ると遅延・音ズレする理由【iPhone】
- BluetoothイヤホンでYoutube動画を観ると音ズレ・遅延する問題の対処法【iPhone】
- iPhone+BluetoothイヤホンでYouTubeが音ズレする問題の対処法まとめ
BluetoothイヤホンでYoutube動画を観ると遅延・音ズレする理由【iPhone】
1.iPhoneで使われるAACコーデックは遅延が大きい
iPhoneはAndroidスマホのように接続するコーデックを自分で選択することができません。
ワイヤレスイヤホンがAACに対応していれば勝手にAACで繋がります。
そして残念なことに基本コーデックであるSBCに比べてAACは遅延が大きいのです。
自分の測定結果ではどのイヤホンでも大体SBCよりAACの方が0.05~0.1秒くらい遅延が大きいです。
なお、『テレビの映像音声の相対時間差に関する検討』によれば0.125秒以上音が遅れると遅延を認識するとあります。
【一例】
ノーマル | ゲームモード | |
SBC | 227ms | 110ms |
AAC | 314ms | 204ms |
(100ms=0.1秒)
SBCのゲームモードでは遅延が気にならない0.11秒の遅延に収まっています。
しかしAACではゲームモードにしても0.2秒以上の遅延が発生しています。
2.iPhoneではYouTubeアプリの遅延補正が効かない
YouTubeアプリには遅延を補正する機能があります。
そのため本来遅延が避けられないワイヤレスイヤホンで動画視聴しても補正によって遅延を感じないわけです。
0.2秒の音ズレ⇒映像も0.2秒遅らせる=同期(リップシンク)
この機能のおかげでAndroidスマホでYouTubeを観る方はまず遅延が気になることはないはず。
ゲームモードに切り替える必要さえないのです。
しかし、iPhoneではYouTubeの遅延補正が効きません。
先程の例でいえば204ms(約0.2秒)の遅延の影響をモロに受けてしまうわけです。
BluetoothイヤホンでYoutube動画を観ると音ズレ・遅延する問題の対処法【iPhone】
1.無料で出来る対処法
ブラウザ(Safari)からYouTubeを観る
もっとも簡単に今すぐ無料で出来る対処法です。
アプリでは補正が効きませんが、ブラウザ(Safari)でYouTubeを観ればきちんと遅延が補正されます。
アプリに比べてちょっと使い勝手は悪いですが‥
この方法で音ズレのストレスは解消されるはずです。
2.安価で済む対処法
AAC未対応かつゲームモード搭載のTWSを使う
YouTubeを毎回ブラウザから観るなんて面倒だ!
という方にはこちらの方法がおすすめ。
AACは遅延が大きいコーデックです。
そしてiPhoneはAACに対応していれば自動でAAC接続されてしまいます。
ならばAACに対応していないワイヤレスイヤホンを選べば良いというわけです。
AACに対応していなければ基本コーデックであるSBCで接続されます。
SBC接続でゲームモード(低遅延モード)をONにすればYouTubeアプリで視聴しても音ズレが気にならない程度に収まります。
条件を満たす完全ワイヤレスイヤホン
そんなイヤホンどこにあるんだっていうと‥
自分が今までレビューした中では
- Victor HA-A30T(レビュー記事)
- Edifier W240TN(レビュー記事)
このあたりが対応コーデックSBCのみでゲームモードも備えたTWSでした。
- HA-A30Tの遅延=104ms
- W240TNの遅延=105ms
どちらも約0.1秒の遅延。
音質面でも優れたイヤホン達なのでおすすめです。
3.オーソドックスながらコストのかかる対処法
AirPodsまたはAirPods Proを使う
AirPods(Pro)もAACでiPhoneと接続されます。
しかし、AirPodsはアップル製品同士で繋いだ時に限って非常に低遅延になるのです。
AirPods Proならさらに超低遅延。
動画視聴程度ならAirPodsでも充分。
音ゲーもしたいならAirPods Proの方が良いです。
日本ではAirPodsの使用者かなり多いと思います。
知らず知らずのうちに対策済みという人も多いということですね。
- AirPodsの遅延=80ms前後
- AirPods Proの遅延=50ms前後
iPhone×AirPods Pro時の遅延は0.05秒程度と非常に優秀です。
遅延の数値について詳しい説明はこちら
いずれも第2世代の数値です。
世代が古いと上記より遅延が大きくなります。
iPhone+BluetoothイヤホンでYouTubeが音ズレする問題の対処法まとめ
- SafariからYouTubeを観る
- AAC未対応+ゲームモード搭載TWSを使う
- AirPods(Pro)を使う
iPhone使いの人はAirPodsを使っていることも多いので自然と(3)を選んで遅延を回避しているパターンも少なくないでしょう。
しかしAirPodsは音質やコストパフォーマンスの観点であまり優秀とはいえないので他のイヤホンを選びたい方も多いハズ。
そんなときは今回紹介した対処法を試してみてください。