- SONY高級機らしい雰囲気をしっかり感じられる音質
- トップクラスに強力なノイズキャンセリング
- SONY独自の便利機能が超優秀
- 耳栓のような密閉感強めの装着感
- 低遅延モードは無し
総合評価 |
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9.5/10 |
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更新日:2023年4月20日
完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。
今回レビューするのはSONYの完全ワイヤレスイヤホン、WF-1000XM4。
もはや説明不要の定番人気TWSですが‥
2023年に入ってWF-1000XM4に大きな変化がありました。
- 2台同時接続可能なマルチポイントに対応
- 大幅な値上げ(定価33,000円⇒38,500円)
2021年の発売当初は敵なしの最強イヤホンでしたが、この変化を経て2023年現在の基準でみたときWF-1000XM4はまだ買いなのかどうか。
良い機会なので再レビューしてみようと思います。
SONY WF-1000XM4の外観チェック
イヤホン本体
イヤホンケース
前作WF-1000XM3とのサイズ感比較
WF-1000XM3と比較すると非常にコンパクトで扱いやすくなりました。
ちなみに今からWF-1000XM3を購入するのは全くおすすめできません。
外箱と付属品
付属品リスト
- 充電用USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- 説明書類
SONY WF-1000XM4のスペックと測定結果
WF-1000XM4 スペック表
WF-1000XM4 | |
実売価格 (Amazon 2023/4/20調べ) |
約3万円 |
連続再生時間 | 8時間 24時間(ケース込) |
ドライバー | 6mmダイナミック |
コーデック | SBC・AAC・LDAC |
防水性能 | IPX4 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ✕ |
充電方式 | USB Type-C 急速充電(5分⇒1時間再生) ワイヤレス充電 |
2台同時接続可能なマルチポイントに対応したことで最新ものと遜色ない高機能TWSに返り咲きました。
ノイキャンの自動制御や音質アップスケーリング機能などSONY独自の便利機能を多数搭載(アプリ機能の項目で詳細紹介)。
便利さという点では他のイヤホンを一歩も二歩もリードしている存在です。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:28.3mm 横:65.2mm 高さ:38.8mm |
重さ | イヤホン:7.1g ケース:40g |
非常にコンパクトで軽量なイヤホンケースです。
前作からよくぞここまで進化してくれました。
イヤホンもコンパクトですが、重さは結構あります。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 229ms(LDAC) 272ms(SBC) |
315ms(AAC) |
低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
Androidで約0.229秒、iPhoneでは約0.315秒遅延します。
低遅延モードもないのでゲームするには厳しい遅延です。
動画視聴はYoutubeやネットフリックスなどアプリ側で遅延補正してくれるものは問題なく楽しめます。
ただし、iPhoneではYoutubeアプリの遅延補正がきかないのでブラウザから視聴する必要があります。
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
△ | Spinfit CP360(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) |
○ |
(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)
TG-200 トゥルーグリップは装着自体はできましたが、若干緩いので△としました。
デフォルトがウレタンチップなのでハイブリッドイヤーピースやSednaEarfit Crystalなどのシリコンタイプに変えると装着時の密閉感が緩和されます。
ただ、その分ノイキャンはパワーダウンします。
SONY WF-1000XM4の詳細レビュー
音質評価
SONY高級機の雰囲気をしっかり感じられるサウンド。
弱ドンシャリで万人に受ける音作りになっています。
適度な量感と沈み込みでハキハキとした低音。
情感をしっかりと感じられる存在感たっぷりのボーカル。
高音域も素直な伸び感でハイエンド機らしい明瞭な音です。
2023年現在、音質ではピヤホン6やFiiO FW5、final ZE8000など、すでにWF-1000XM4以上の評価をつけたイヤホンもいくつか登場しています。
ただ、上記イヤホンはLDACやaptX Adaptiveでの再生環境が整っているのが前提。
WF-1000XM4もLDACで聴くのが一番なのには違いありませんが、どんな音源もハイレゾ相当に引き上げてくれるソニーの独自技術『DSEE Extreme』に対応している点はかなりの強みといえるでしょう。
また、強力なノイズキャンセリング機能を備えつつこの音質というのがWF-1000XM4の一番すごいところかなと思います。
(ノイキャンを最適化すればするほど音質の調整が難しくなるので)
音質評価 |
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8.8/10 |
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ノイズキャンセル機能の比較
非常に強力なノイズキャンセリング効果です。
ウレタンチップを標準装備することで物理的な遮音性も大きく稼げています。
かなり大きな低音ノイズも無音化できますし、一般にノイキャンが効きにくい中音・高音ノイズに対しても効果的に作用。
これまで本当に多くのノイキャンイヤホンを使ってきましたが、未だにトップクラスの実力。
2023年現在でもBose QuietComfort Earbuds II、Apple AirPods Pro(第2世代)に次ぐ高機能ノイズキャンセリングです。
⇒参考:ノイズキャンセリングイヤホンの最強とおすすめがわかる強度比較表
ノイキャン |
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9.5/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み機能も非常に優秀です。
イヤホンをしていないときと同様の外音を聞ける、全く違和感の無い聴こえ方。
精度の良さは“ながら聴き”最適イヤホンのApple AirPods Pro(第2世代)に引けを取りません。
(正確に言えば高音がややカサつく感じがAirPods Proに劣りますが)
ただ、装着感の違いが自然な“ながら聴き”体験の差となっています。
AirPods Proはイヤホンをしている感覚が薄い軽い付け心地。
この状態でイヤホンをしていないときと同様の外音を取り込むので非常に快適な“ながら聴き”となります。
対してWF-1000XM4は耳栓をしているような密閉感強めの装着感。
なので自然な外音が聴こえるにしても“ながら聴き”としての体験はAirPods Proにやや劣るわけです。
ちなみに、その点を改善して“ながら聴き”に特化したSONY版AirPodsといえる存在がLinkBuds Sとしてリリースされています。
外音取り込み |
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9.5/10 |
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装着感評価
ウレタンのイヤーピースを標準装備しているので耳栓をしたような装着感です。
そのため密閉感はかなり強め。
ものすごくフィットするので激しく動いても外れる気配も感じません。
イヤホン自体の重みも結構あるので、長時間着用は厳しいかな?と思っていましたが使ってみると意外と快適ではあります。
ウレタンチップを外して着けてみるとわかりますが、イヤホン自体がとても良く耳介にフィットするんですよね。
なので1-2時間くらいは余裕、ある程度長時間の着用も思ったほど苦にはなりませんでした。
しかし、テレワークなどを想定してか2022年くらいからは長時間着用しやすい装着感軽めの付け心地がトレンド。
WF-1000XM4の密閉感強めな付け心地は好みのわかれるところです。
装着感 |
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7/10 |
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マイク性能・通話品質について
クリアではっきりと相手に声が届きます。
周囲の環境音ノイズも適切に処理してくれるので通話はしやすいです。
ただ、若干機械で処理した感のする音声かな?という印象はあります。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ『Headphones』の主な機能
ホーム画面
アダプティブコントロール
↓アダプティブコントロールとは
例えば
- 近所のコンビニに入ったら外音取り込み機能をON
- 電車に乗っている間はノイズキャンセリングをON
- ランニング中は外音取り込み機能ON
このように自分で設定した場所・状況に応じて自動でノイキャンと外音取り込み機能が切り替わってくれます。
普通は自分でイヤホンをタップして切り替えるものですが、その必要がありません。
非常に便利な機能です。
スピーク・トゥ・チャット
自分の声に反応して自動で外音取り込み機能に切り替わります。
これによりイヤホンをしたまま何の操作もなしに人と会話することが可能です。
反応する感度なども設定可能。
ノイズキャンセリング/自動風ノイズ低減 切り替え
外音取り込み量の調整
イコライザー機能
数種類のプリセットとカスタム設定が可能なイコライザー。
CLEAR BASSは低音の調整機能。
これだけ独立しているのが普通のカスタムイコライザーとは違うところですね。
DSEE Extreme
圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングします。
高音域の明瞭感が明らかに良くなります。
しかし、本物のハイレゾと聴き比べると生音感の再現性はもう一歩といったところ。
マルチポイント
2台同時接続が可能となります。
(例)PCとスマホに同時接続
操作方法のカスタマイズ
いくつかのセットから左右に1つずつ割り当てる方式。
【操作性・使用感について】の項目にて。
アプリ総評
豊富な独自機能を多数搭載。
特にノイキャンと外音取り込みが自動で切り替わる体験は音楽を聴くつもりがなくても持ち出したくなる、ただのイヤホンを超えた便利さ。
アプリ自体も使いやすく非常に有用です。
操作性・使用感について
アプリで操作方法を一応カスタマイズすることができます。
- 外音コントロール
- 再生コントロール
- 音量コントロール
- 割り当てなし
この中から左右に1つずつ割り当てる方式。
初期設定は
- 左:外音コントロール
- 右:再生コントロール
となっています。
正直いじりようがないので音量コントロールは諦めるしかない状態です。
スマホなどから音量は調整することになるでしょう。
タップの感度などは問題なく使いやすいです。
操作性 | S・A・B・C・D |
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操作方法一覧
L側 | R側 | |
1タップ | ノイキャン 外音取り込み |
再生/停止 |
2タップ | - | 曲送り |
3タップ | - | 曲戻し |
長押し | クイックアテンション | - |
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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8.8/10 |
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ノイキャン |
|
9.5/10 |
外音取り込み |
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9.5/10 |
装着感 |
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7/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
改めてWF-1000XM4をレビューしてみると、やはり総合力が非常に高いなと感じます。
特に圧倒的な便利機能、そして音質とノイキャンが非常に高レベルでまとまっている点。
こういったものはほとんどないので貴重な存在です。
値上げは痛いところですが、2023年の基準で見ても依然TWS界のトップランナーであることには変わりありません。
- 密閉感強めの装着感が大丈夫かどうか
- 低遅延モードがないのでゲームには不向き
この2点だけ注意と言った感じです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。