- ワークアウト向きの安定した装着感ながら圧迫感をほとんど感じない快適なつけ心地
- 通常のTWSとしても音質やノイキャンのレベルが高い
- Dolby Atmos音源や動画視聴時の空間オーディオが素晴らしい
- 外音取り込み機能は値段の割に雑味が多め
- Dolby Atmos以外の音源では空間オーディオが微妙
総合評価 |
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9.5/10 |
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更新日:2024年4月4日 値下がりしてを考慮して評価を総合評価を上方修正
こんにちは、猫居です。
今回レビューするのは2023年10月12日発売(全国販売は11月9日)の完全ワイヤレスイヤホン、Jabra Elite 8 Active。
定価約3,3000円でハイエンドクラスのTWSとなります。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能や空間オーディオ機能を搭載し、2台同時接続可能なマルチポイントにも対応。
さらに水深1.5mの水没にも耐えられる完全防水性能を持つなど、タフさが売りの1つとなっているワークアウト適性を備えたTWSです。
同日発売のフラッグシップモデルElite 10は1日中着けっぱなしにしていられる快適性能を売りにしたイヤホンなので、コンセプトの違いは明確。
スポーツ使用にも耐えうる確かなフィット感が期待できそうです。
プールや浜辺で使用できるレベルの防水・防塵TWSというだけでかなりのレアなので人によってはこれだけでも“買い”となりそうですが、音質やノイキャンの効き目・実際のつけ心地はどうなのか。
詳しくチェックしていきます。
- Jabra Elite 8 Activeのスペック・外観チェック
- Jabra Elite 8 Active 測定データ
- Jabra Elite 8 Active 詳細レビュー
- Elite 10 との主な違い
- 総合評価
Jabra Elite 8 Activeのスペック・外観チェック
スペック表と特徴
Elite 8 Active | |
価格 | 32,780円 |
連続再生時間 | ANC OFF 14時間 56時間(ケース込) ANC ON 8時間 32時間(ケース込) |
ドライバー | 6mm |
コーデック | SBC / AAC LC3 / LC3+ (対応予定) |
防水性能 | IP68 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | - |
その他の機能 | ワイヤレス充電 急速充電(15分→1時間) 着脱検知 空間オーディオ Google Fast Pair Swift Pair |
説明書 | Elite 8 Active データシート(PDF) |
特徴
- 世界でもっともタフなイヤホン:耐久性の高い電子機器として米軍MIL規格のテストに合格。どんな過酷なワークアウト環境にも対応。
- 完全防水+確かな防塵機能:最大水深 1.5 m に長時間水没しても完全に水の侵入を防ぎ、ビーチでのジョギングや砂地でのオフロードバイクも問題無い最上等級の防塵性能も備える。
- Jabra シェークグリップ:特殊なリキッドシリコンラバーでイヤホン全体をコーティング。これにより高いフィット感とソフトでしなやかな装着感が得られる。
- 空間オーディオ:Dolby の空間オーディオで広がりと臨場感あるサウンド体験を実現。
- アダプティブハイブリッドANC:Jabra の標準ANCの約1.6倍強力なノイズキャンセリング機能を搭載。周囲の音に合わせて自動的に強度を調整。
- 6-マイクテクノロジー:6つのマイクでクリアな通話を実現。風切り音を防ぐ特別なメッシュカバーとノイズキャンセリングアルゴリズムにより、強風の中でも声がはっきりと届く。
- 2台同時接続可能なマルチポイントに対応。
- Android端末と素早く接続できるFast Pair、WindowsPCと素早く接続できるSwift Pairに対応。
(公式サイト | Jabra Elite 8 Activeより)
便利機能 | S・A・B・C・D |
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外観・内容物のチェック
イヤホン本体
表面はボタン部分を含むほぼ全てがシリコンで覆われています。
柔らかくしっとりとした触り心地です。
イヤホンケース
イヤホンケースもIP54の防水・防塵仕様。
一般的なTWSではイヤホンは防水でもケースは防水ではない物が多いので、ケースまで『タフ』といえます。
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤージェル
- 充電用ケーブル
- 保証 & 警告リーフレット
Jabra Elite 8 Active 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:46.8mm 横:65.4mm 高さ:24.5mm 三辺合計:136.7mm |
重さ | イヤホン:5.1g ケース:46.4g |
JabraのフラッグシップモデルTWS、Elite 10とほぼ同サイズ・同重量。
ぱっと見のサイズ感は平均的に見えますが、三辺合計値は少なめでコンパクトな部類に入ります。
厚みがあまりないのでポケットへの収まりが良いです。
イヤホンはややコンパクトで重量は平均的といったところかと思います。
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホンのケースサイズ比較表)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 281ms(SBC) | 320ms(AAC) |
低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでの遅延=約0.281秒
- iPhoneでの遅延=約0.32秒
遅延はやや大きめです。
ゲームをするには少し厳しい値かと思います。
動画視聴はYoutubeやNetflixといったアプリ側で遅延補正されるものは問題ありません。(iPhoneでYoutubeアプリを使う場合を除く⇒詳細)
なお、Elite 8 Activeは今後のアップデートでLE Audioに対応予定。
LE Audioで接続できるようになれば約0.07秒ほどの低遅延になる可能性があります。(他の実機での計測値)
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
ノズルが特殊な形状のElite 10よりはElite 8 Activeの方が入るイヤーピースが多かったです。
ただ、Elite 10同様に標準装備の装着感がとても良いのでわざわざ他のイヤーピースを使う必要があるかどうかは怪しいところ。
イヤージェルがどうしても合わなかった時の選択肢という感じですね。
Jabra Elite 8 Active 詳細レビュー
音質評価
低音の質感が素晴らしく良いです。
やや硬質で音場感は並程度。
低~中音域にかけてボリュームがあり、特に低音は力強くキレも○。
深いところまでしっかり出て聴き応えがあります。
ボーカルは若干前のめりなポジション。
兄弟機Elite 10より低音の深みやボーカルの力強さを感じやすい音作りです。
高音域はElite 10と比べるとやや暗いですが、価格の近いSONY WF-1000XM4などと比べても見劣りせずハキハキとした鳴り。
4万円級の高音質イヤホンと比べると劣りますが、3万円級TWSとしては全然悪くないといったところでしょうか。
総じてワークアウトに最適化されたようなキレのあるサウンドで、ハイエンドであるElite 10のゆったりとした聴き心地とはまた違った音の傾向にあると言えます。
同日発売のこの2つ。
値段差もそこそこあるので単純に音質に差をつけてくるかと思いましたが、好みでどちらが好きか変わってくる範疇だと思います。
Elite 8 Activeはスピード感あるキレの良さや低音の深みに利点があり、Elite 10は高音の明瞭感と音の広がり・柔らかさに利点があると感じました。
音質 |
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9.2/10 |
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空間オーディオについて
空間オーディオの切り替えはアプリから行います
Elite 8 Activeの空間オーディオはElite 10と違ってヘッドトラッキング機能はありません。
ヘッドトラッキングをONにすると音像が所定の位置に固定され、右を向けば左から、後ろを向けば後方から音が聴こえてくるようになります。
音像がはっきりとしてより臨場感を感じやすくなるのですが、移動中にONにするには向かない機能なのでワークアウトに使うことが想定されるElite 8 Activeでは省かれたのかなと思います。
さて、肝心の空間オーディオの精度ですが…
Dolby Atmos音源を空間オーディオで聴くとしっかりとした指向性と広がりが感じられ、音のバランスも崩れることなく良好。
臨場感あるサウンドが楽しめます。
ただ、Dolby Atmos以外の楽曲で空間オーディオを使うと、これがイマイチ。
一応どんな音源でも空間オーディオになるのですが、Dolby Atmosでない音源だと凄くチープな感じになります。
Youtubeなどの動画視聴では良い感じだったので、Dolby Atmos音源や動画視聴に使うのが良いかなと思います。
Dolby Atmos音源ではAirPods Pro 2と遜色ないくらい、Bose QuietComfort Ultra Earbudsには劣るかなという評価です。
【参考】
Dolby Atmos対応の音楽サブスク
- Apple Music=Dolby Atmos対応スマホが必要
- Amazon Music Unlimited=どんなスマホでもOK
ノイズキャンセリング機能の比較
Elite10にはJabraの標準ANC(Jabra Elite 4 Active)の1.6倍の効果を謳うANCが搭載されています。
フラッグシップモデルのElite 10は標準ANCの2倍を謳っているので、それと比べると控えめに感じますが…
実際に使ってみるとElite 8 Activeもかなり強力なノイキャンです。
低音から高音まで満遍なくカットできている印象。
他のイヤホンとの比較ではBeats Studio Buds+よりは優秀でTechnics EAH-AZ80にはやや劣るという印象。
ハイエンドのElite 10と比べると低音ノイズへの効果が弱めですが、3万円ほどまでで購入できるANCイヤホンの中ではかなり優秀な部類に入るかと思います。
大きな騒音も大幅に低減可能です。
(参考:Jabra Elite 8 Activeのノイズキャンセリングの強さをノイキャン強度比較表でチェック)
ノイキャン |
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9/10 |
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外音取り込み機能の評価
アプリで外音取り込み量を調節可能
人の声にフォーカスした感じの外音取り込み機能です。
自然な聞き心地というよりは人の声を強調、フォーカスしたような聞こえ方。
取り込み量MAXだとサーというマイクで拾ったようなノイズがやや強めに入ります。
“ながら聴き”に適したタイプではないですが、人の喋っている内容ははっきりわかるといった感じ。
2段階ほど取り込み量を下げてあげると違和感が減って使いやすいです。
外音取り込み時に音楽を流し続けるか、ミュートにするかも選択可能
【一時停止】ではない点に注意
外音取り込み |
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8/10 |
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装着感評価
イヤーフックなどの支えのパーツなしなのにしっかりフィットします。
高い安定感を実現しつつも圧迫感は全然ありません。
イヤーフックでバランスを取るタイプのイヤホンのようにイヤホンが肌に触れる部分が少ないように感じます。
耳の中を隙間なく埋める一般的なTWSとはそこが違うのかなと。
つけ心地は軽いのに安定感も抜群という非常に優れた装着感です。
ハイエンドのElite 10はさらに軽いつけ心地ですが、Elite 8 Activeは軽さとフィット感を両立しているという感じ。
スポーツ用という以外にも、普段使いとしてもしっかりフィットするほうが好みという方はこちらの方が向いているでしょう。
装着感 |
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9.5/10 |
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マイク性能・通話品質について
声が強調されたようにはっきりと届いていました。
Elite 10は自然な声色という感じでしたが、Elite 8 Activeは聞き比べると若干ざらついたようなボイスです。
Elite 10より風切り音に強く、扇風機で風を当てながらでも問題なく通話することができました。
ワークアウト向きですし、外で通話する機会が多い方にも良いですね。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | ノイズコントロール | 再生/停止 |
2クリック | 音声アシスタント | 曲送り |
3クリック | - | 曲戻し |
長押し | 音量- | 音量+ |
【操作の割り当てが可能な箇所と割り当てられるアクション】
すべての基本操作をイヤホンから行うことができます。
また、物理ボタン式なので押し間違いが無いのも◎。
操作カスタマイズは「長押し」以外の左右3箇所に好みの操作を割り振る事ができます。
個人的には音声アシスタントを3クリックにして、曲送り・曲戻しを左右の2クリック目で揃えてあげたほうが使いやすいかなと感じました。
ノイズコントロールの切り替えパターンも選択可能
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【Jabra Sound+】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- 空間オーディオのON/OFF
- イコライザー
- 操作カスタマイズ
- サウンドスケープ
- 『探す』機能
- 着脱検知のON/OFF
- 通話設定
ホーム画面
サウンドスケープ
ノイズやヒーリングサウンドをアプリで再生可能
作業に集中したい時などに有用です
『探す』機能
着脱検知のON/OFF
使って気付いた注意点
- マルチポイントは割り込み不可
- 空間オーディオはDolby Atmos音源か動画視聴時におすすめ
1.
マルチポイント対応TWSの中には割り込みできるものもありますが、Elite 8 Activeでは出来ませんでした。
2.
Elite 8 Activeの空間オーディオ機能はどんな音源も空間オーディオとして再生可能ですが、Dolby Atmos以外の曲では正直イマイチな効果でした。
Dolby Atmos音源や動画視聴に使うと臨場感を楽しめます。
Elite 10 との主な違い
Elite 8 Activeの利点
- 価格
- プールでも使える防水性能
- 重低音・キレの良さ
- 安定感と軽さを両立した装着感
Elite 10の利点
- 空間オーディオ性能(ヘッドトラッキング)
- 強力なノイズキャンセリング
- 音場の広さ・音の柔らかさ・高音の明瞭感
- 耳への負担が少ない、抜群に軽い装着感
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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9.2/10 |
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ノイキャン |
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9/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
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9.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
Jabra Elite 8 Activeはこんな方におすすめです。
- スポーツ用でも音質やノイキャンを諦めたくない
- しっかりフィットする装着感が好み
- 低音の迫力や音のキレの良さを重視
Elite 8 Activeはワークアウト向けの安定した装着感とタフさを持ちつつ、普通の完全ワイヤレスイヤホンとしても高いレベルの音質とノイキャン性能も併せ持っています。
スポーツ用に使いたいという人以外にもしっかりフィットする装着感が好みという方にもおすすめで、しっかりフィットするのに圧迫感を感じないつけ心地なのでかなり快適度は高いです。
マルチポイントや空間オーディオ機能など、最新の流行り機能も備えていますし満足度の高い完全ワイヤレスイヤホンだと思います。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。