- ノリ良く聴けるJBLらしい明瞭サウンド
- スマートタッチディスプレイ搭載のイヤホンケースなど機能満載
- 軽いつけ心地ながらフィット感も抜群
- <追記>他社ハイエンド製品(3.5万)より凄く安く買える(2.5万)
- 平均点は高いが音質もノイキャンもずば抜けてはいない
総合評価 |
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9.5/10 |
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更新日:2023年10月6日
値下がりを考慮して総合評価を上方修正。25000円~27000円くらいで買えるならコスパ良いです。
TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはJBLの完全ワイヤレスイヤホン、TOUR PRO 2。
世界初のスマートタッチディスプレイ搭載充電ケースを採用したJBLのハイエンドイヤホンです。
良くも悪くもその部分ばかり目立っているような気がしますが‥
強化されたノイズキャンセリング、空間オーディオ機能と思われる独自機能『空間サウンド』など性能面の進化も気になるところです。
同社ミドルクラスのLIVE FREE 2は多機能で使い勝手良く個人的に非常におすすめのTWSですが、それと比べてどうなのか。
SONY WF-1000XM4など他社ハイエンドTWSと比べてどうなのか。
使い比べた感想をお伝えしていきます。
JBL TOUR PRO 2の外観チェック
イヤホン本体
イヤホンケース
gif動画で雰囲気をチェック
スマートタッチディスプレイ
スマートタッチディスプレイを通じて色々なことができます。
- 曲の再生/停止やスキップなど
- 音量調節
- イコライザー
- ノイズキャンセリング・外音取り込み機能の切り替え
などなど。
付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
JBL TOUR PRO 2のスペックと測定結果
TOUR PRO 2とLIVE FREE 2のスペック比較表
TOUR PRO 2 | LIVE FREE 2 | |
定価 | 33,000円 | 15,950円 |
連続再生時間 | 10時間 40時間(ケース込) |
7時間 28時間(ケース込) |
コーデック | SBC・AAC | SBC・AAC |
防水性能 | IPX5 | IPX5 |
ノイキャン | ○ | ○ |
マルチポイント | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ |
低遅延モード | ○ | ○ |
その他の機能 | 空間サウンド 急速充電 ワイヤレス充電 |
急速充電 ワイヤレス充電 |
ハイエンド製品ながらハイレゾコーデックに対応していないのは少しさみしいところでしょうか。
それ以外は全盛りと言える内容。
最近高額化が著しいハイエンド帯の完全ワイヤレスイヤホンですが、TOUR PRO 2は従来どおりのお値段なので相対的には安く感じますね。
ミドルクラスのLIVE FREE 2と比較すると空間サウンド・スマートタッチディスプレイ搭載ケースを採用している点が大きな違いとなります。
あとは音質・ノイキャンがLIVE FREE 2と比べてどうなのか。
LIVE FREE 2より買いと言えるのか。
そして他のハイエンドTWSと比べてどうなのか。
その辺を後述のレビューではチェックしていきます。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:58.8mm 横:61.4mm 高さ:30.5mm |
重さ | イヤホン:6.1g ケース:72.7g |
スマートタッチディスプレイを搭載しているせいでケースはそこそこ厚みがあります。
そしてやっぱり重いですね。
持ち運ぶのに不便というほどではない、ぎりぎりの許容範囲かなと。
遅延測定結果
- SBC=367ms
- SBC(ビデオモード)=225ms
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考えます。
225-52=173ms。
ビデオモード時で約0.173秒の遅延です。
最近のTWSにしては遅延大きめ。
ビデオモードにしてもゲームや動画視聴時、ぎりぎり遅延を許容できるかできないかくらいでした。
音ゲーは無理です。
Youtubeなどアプリ側である程度リップシンクしてくれるものは動画視聴に問題はないでしょう。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
✕ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
✕ | Spinfit CP360(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) |
✕ |
(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)
✕にしたものも装着自体はできましたが、緩くて外れやすかったので✕としました。
JBL TOUR PRO 2の詳細レビュー
音質評価
「DLC (Diamond-Like Carbon) 」コーティング振動板採用の10mm径ダイナミックドライバーを搭載。
聴力測定して音質を最適化する『Personi-fi 2.0』という機能もあります。
最適化するとデフォルトで少し感じられたこもり感が解消され、ゆるすぎた低音の締りも良くなったと感じました。
全体としてはLIVE FREE 2と同様のJBLらしいハキハキと鳴るサウンドとなっています。
ぬけ感はあまりなく、音場は狭め。
明瞭で躍動感があり、スピード感のある曲やノリ良く聴きたい曲との相性が良いです。
LIVE FREE 2と大きく違うのは低音の量感がかなり増している点。
広がりのある低音でキレもありノリ良く聴けます。
中音域の厚みもUP、ボーカルの芯が太く前面で主張してきます。
高音も明るさがアップしていますが、あまり繊細な表現力がない点は変わらずといったところ。
聴きやすさ重視で明るくハキハキとした高音です。
良くも悪くもノリ重視のサウンドなので好みは分かれそうかなと。
ロックやクラブミュージックをメインに聴く方は文句無く楽しめると思います。
機能『空間サウンド』の感想
アプリやケースから『空間サウンド』をONにすることができます。
ただ、自分的には正直微妙でした。
音場感が前後に不自然に広がる感じ。
熱気といえば聞こえは良いが実際はただこもってる印象の方が強いです。
試聴するときはこの機能がONになっていないことを確認してから聴いたほうが良いと思います。
これをONで聴いても音のバランスが全然違うので全く参考になりません。
ノイズキャンセリング機能の比較
ハイブリッドノイズキャンセリングを搭載。
4つのノイズ検知マイクを自動的に使用して、リアルタイムで周囲をモニタリングするそうです。
単体使用の感想は低音ノイズへの効果がかなり強いです。
一方で高音ノイズは結構残っちゃうかなと言う感じ。
また、ホワイトノイズが結構あります。
音楽再生中は気になりませんが静かな環境では逆にホワイトノイズの方が気になってしまうかも。
耳栓として使いたい場合にはちょっと注意といったところです。
まずWF-1000XM4と比較。
明らかにWF-1000XM4の方がノイズキャンセリングが効いています。
次に-43dbのノイキャン性能のSOUNDPEATS Capsule3 Proなどと比較。
-43dbと比べてもまだ及ばないように感じました。
続けて-42dbのノイキャンと比較。
ここで大体同じくらいかなという印象を受けます。
HUAWEI FreeBuds Pro2と大体同程度、-42dbのノイキャン効果といえそうです。
(参考:ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめと最強がわかる比較ランキング )
外音取り込み機能の評価
外音取り込みの量をアプリから7段階調整可能。
MAXだとサーっという音が強く入りマイクで取り込んだ感強めです。
自然な取り込み量よりかなり音量UPして外音を取り込めるようになっているようです。
個人的には取り込みレベル4くらいでの運用がおすすめです。
サーっ音があまり入らず、外音取り込みの量も90%-95%くらいで充分聴きやすいと思います。
装着感について
LIVE FREE 2でも採用されたサウンドチューブ (音筒) とイヤホン本体に楕円型の様相を施した「デュアル・オーバルシェイプデザイン」を採用しているそうです。
LIVE FREE 2は装着感は軽さフィット性を兼ねた快適なつけ心地でしたが、TOUR PRO 2も素晴らしい装着感です。
軽くて長時間つけれいられる軽い装着感。
なのにフィット感もしっかりしていてちょっとやそっとでは全くブレません。
軽い運動に使っても全く問題ないでしょう。
スマートタッチディスプレイの使い勝手
指紋もつかず、反応は良好。
セットする機能の数もアプリから選べるのでいらない機能は省くことが可能です。
ライトとして使う機能やスクリーンセーバーをアプリから変更することもできてガジェット的な面白さはきちんと演出出来ているように思います。
ただ、音量調整はわざわざスマートタッチディスプレイからポチポチするよりスマホのサイドボタンを押したほうがブランドタッチで操作できるので楽ですね 笑
マイク性能・通話品質の評価
6マイクを搭載してウインドノイズ対策をしたということですが‥
試しに扇風機を回してみたところ結構通話中の風切り音は拾っているように感じました。
もう一度試してみたところ、風があたった直後や風向きを変えた時に風切り音を拾ってしまうようです。
ノイズを処理するまでに少し時間が要るといったところでしょうか。
同じ方向から風を当て続けると最初の2秒くらい風切り音を拾ったあとは全く風を感じないくらい静かでした。
音声はクリアにしっかりと相手に届く印象です。
周囲のノイズもある程度カットできています。
専用アプリ【JBL Headphones】の主な機能
ホーム画面
ノイズキャンセリングの最適化
外音取り込み量の調節
7段階の調整が可能。
個人的には4段階目くらいが違和感が少なくて使いやすいと感じました。
トークスルー機能
Personi-Fi
聴力測定をして音質を最適化してくれる機能です。
イコライザー機能
5つのプリセットとカスタム設定が可能です。
SilentNow
飛行機や新幹線などで移動中に寝るための機能。
寝ている最中ノイズキャンセリングだけをONにし、設定した時間になるとアラームで起こしてくれるというものです。
スマートケースの設定
その多の機能一覧
アプリ総評
とにかく機能の数が半端ではありません。
多けりゃいいってもんでもないですが、便利な機能も多数。
AnkerやSONYと並んでJBLのアプリは最高峰の優秀さだと思います。
JBL TOUR PRO 2の使い方と注意点
ペアリング方法
マルチポイント接続方法
- 1台目とペアリングする
- イヤホンをケースから取り出す
- イヤホンのタッチエリアを1回+5秒長押しする
(左右どちらのイヤホンでもOKです) - ペアリングモードに入るので2台目と接続
- 2台同接続完了
リセット方法
- イヤホンをケースから取り出す
- イヤホンのタッチエリアを2回+5秒長押し
(左右どちらのイヤホンでもOKです) - リセット完了です
充電方法
付属の充電用ケーブルで充電できます。
15分の充電で4時間再生可能な急速充電可。
その他、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。
(Qi規格の充電パッドは別売り)
操作方法
パターン1 | パターン2 | パターン3 | |
1クリック | モード切り替え ・ノイキャン ・外音取り込み ・ノーマル |
再生/停止 | 音量+ |
2クリック | トークスルー | 曲送り | 音量- |
3クリック | - | 曲戻し | - |
長押し | 音声アシスタント | 〃 | 〃 |
3パターンある操作方法から2パターンを左右に割り振ることができます。
デフォルトは
- L側=ノイキャンや外音取り込みなどの制御
- R側=再生/停止やスキップなど
- 余り=音量調整
JBLのいつもの方式。
パターン1・2どちらも外せないので基本デフォルトで使うことになりますが‥
これのせいで毎回パターン3の音量調整が割り振りできません 笑
ただ今回は足りない分はスマートタッチディスプレイを搭載したケースで操作可能。
従来製品より使い勝手が上がっています。
注意点:専用アプリからイヤホン&ケースのアップデートあり
イヤホンのアップデートが終わったあとイヤホンケースのアップデートもきていました。
バグの修正らしいのでアップデートしたほうが良いでしょう。
説明書
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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8.8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
8/10 |
外音取り込み |
|
9/10 |
装着感 |
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9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
世界初スマートタッチディスプレイ搭載イヤホンケースが魅力のTOUR PRO 2。
LIVE FREE 2を音質面でもノイズキャンセリング面でもきちんと上回っており、ハイエンドらしい独自機能も搭載。
ユニークな存在では在ると思います。
しかし、2023年のハイエンドTWSとしてはスマートタッチディスプレイ以外のインパクトはいまいちかなと。
LIVE FREE 2はミドルクラスなのにJBLらしいサウンドにハイエンド並の高機能が揃っていて『これでいいじゃん!』と思える非常にインパクトのある完全ワイヤレスイヤホンでした。
それに比べるとここが凄い!っていう強みがあまりなく、平均点の高さで勝負みたいな感じがします。
音質は聴きやすさ・ノリ重視のサウンドなのでロックやクラブミュージック好きな人にはもってこいです。
ノイキャンも音質を犠牲にしない控えめなノイキャンが多いハイエンド製品の中では強力なほうでしょう。
装着感や質感は良く、総合力の高さは申し分なし。
しかし、音質もノイキャンも最強とは言い難く、優秀くらいな感じです。
目玉のスマートタッチディスプレイにどの程度価値を見いだせるかがポイントとなるでしょう。
-追記
定価ではスマートタッチディスプレイにどれだけ価値を見いだせるかがポイントっていう感じの評価でしたが、今では値下がりして2万円台半ば~後半くらいの価格に。
他社ハイエンドが軒並み4万円弱まであがっていることを考えると相対的に非常にコストパフォーマンスの良い完全ワイヤレスイヤホンとなりました。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。