- 5000以下のTWSとしてはかなり音質が良い
- ノイキャンやヒアスルーなどの機能も実用レベル
- 極小で持ち運びやすいイヤホンケース
- プリセットイコライザーの出来はイマイチ
総合評価 |
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9/10 |
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TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはQCYの完全ワイヤレスイヤホン、ArcBuds(HT07)。
-45dbを謳うノイズキャンセリング機能を搭載し、アプリや低遅延モードも使えて実売価格は5,000円を切ることも珍しく無いコスパTWSですね。
QCYはコストパフォーマンスに優れたTWSを数多くリリースしており、HT05やT13などこれまでレビューしてきたイヤホンも非常に優秀なものでした。
特にHT05とは機能・値段の面でかなり似通った存在なので今回はこちらと比較しつつ紹介していこうと思います。
*本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
QCY ArcBuds(HT07)のスペック・外観チェック
ArcBudsとHT05のスペック比較表
ArcBuds (Amazonリンク) |
HT05 (Amazonリンク) |
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価格 | 6,250円 | 6,580円 |
連続再生時間 | 8時間 32時間(ケース込) |
8時間 30時間(ケース込) |
ドライバー | 10mm DD | 10mm DD |
コーデック | SBC・AAC | SBC・AAC |
防水性能 | IPX5 | IPX5 |
ノイキャン | ○ | ○ |
マルチポイント | - | - |
専用アプリ | ○ | ○ |
低遅延モード | ○ | ○ |
機能 | 急速充電(5分→1時間) | 急速充電(5分→1時間) |
どちらも通常価格は6,000円台ですが、割引機会が多く5,000円前後で購入出来ることが多いです。
スペック上はほとんど差がないように見えますね。
ただ、ノイズキャンセリングの効果ではArcBudsが-45db・HT05は-40dbを謳っており、この点に少し差があります。
あとは音質や装着感の違いがどうなのかといったところでしょう。
このあと詳しく比較していきます。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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イヤホン本体
イヤホンケース
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書(英語・中国語のみ)
→日本語マニュアルはコチラ(PDF)
QCY ArcBuds(HT07) 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:42.1mm 横:60.2mm 高さ:25.0.mm 三辺合計:127.3mm |
重さ | イヤホン:4.7g ケース:25.4g |
非常にコンパクトなイヤホンケースです。
イヤホン・ケース共に軽量ですが、特にイヤホンケースは超が付く軽さ。
比較用:HT05 三辺合計:138.8mm / 重さ39.2g
全体的にArcBudsのほうがかなり小ぶりなのがわかります。
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホンのケースサイズ比較表)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 230ms(SBC) | 285ms(AAC) |
低遅延時 | 120ms(SBC) | 180ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の遅延=約0.12秒
- iPhone接続時の遅延=約0.18秒
低遅延モードで接続するとかなり遅延を抑えることができます。
リズムをとるようなゲームでなければ、ゲームも可能。
動画視聴もほぼ問題ないでしょう。
HT05 の遅延は約0.121秒だったので遅延の値はほぼ同程度でした。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
△ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
△ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
ハイブリッドイヤーピースとトリプルコンフォートイヤーピースは一応入りましたが浅く抜けやすい状態だったので△としています。
QCY ArcBuds(HT07) 詳細レビュー
音質評価
低~中音域にかけてボリュームのあるサウンド。
HT05はかなりスッキリとしたフラット寄りの音だったのでそれと比較するとベースやボーカルの主張が強くなった分、熱量の多さを感じます。
一方で高音はHT05と比べるとやや控えめ。
といってもこの価格帯のTWSとしては十分な明瞭感は確保されていると感じます。
どちらのイヤホンもQCYらしい変な強調感の無い良い音です。
均整の取れたスッキリしたサウンドが好みの方はHT05のほうが良いでしょう。
低音の迫力やボーカルの熱量を重視したい場合はArcBudsですね。
また、数種類のプリセットとカスタムイコライザーで変化をつけることも出来ます。
ただしプリセットはあまりいい塩梅とは感じなかったのでカスタムEQで少しだけ変化をつけるくらいの使い方がおすすめです。
音質 |
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7.3/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
ノイズキャンセリングは低音ノイズを大きくカット。
中音~高音ノイズに関してはやや処理の甘さを感じます。
HT05と比べると僅かに低音ノイズをArcBudsの方が消せていて、逆に高音ノイズはHT05の方が処理がうまいという印象です。
総合的にはほぼ同程度の効き目かなと。
5,000円前後のTWSとしては十分に強力で実用的なノイキャンです。
ノイキャンは4種類のモードを搭載。
基本的には効果MAXの【騒がしい】でいいかなと思います。
見切れていますが『風切り音カット』モードもあります。
ノイキャンの効果はほぼありませんが風切り音がきついときに使うと劇的に風の影響を減らすことが出来ます。
ライバルとなりそうなSOUNDPEATSやEarFunなどのノイキャンTWSとの比較は下記記事をご覧ください。
(参考:ノイキャンランキング|5000円以下のQCY ArcBudsのノイズキャンセリングの強さはどのくらいか比較チェック)
ノイキャン |
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8/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み量をアプリで調整可能です。
デフォルトはレベル4でレベル1~6まで。
デフォルト時で十分な取り込み量。
違和感もさほどなく使いやすいです。
1万円以下のTWSだと外音取り込みは使えれば良いんでしょ的に雑味が強いものも少なくないのでかなり優秀だと思います。
外音取り込み量はこれ以上あげても違和感が増すだけなのでレベル4で十分かと。
ヒアスルーに関してはHT05と全く同様と感じました。
外音取り込み |
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9/10 |
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装着感評価
装着感は標準的。
安定したつけ心地だと思います。
ショートスティックタイプのHT05の方がサイズ感はだいぶあるように見えますが重さは実は同じ4.7g。
スティック部が支えになっている分、HT05の方が着けたときの軽さは上ですね。
ただ見た目に関してはやはりArcBudsの方がかなりスッキリして見えます。
装着感 |
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7.5/10 |
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マイク性能・通話品質について
クリアな音声で通話可能でした。
少し人工的なボイスと感じますが、問題ないでしょう。
周囲の雑音は結構拾う印象。
あまり煩い場所での通話には向いていないかもしれません。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | - | - |
2クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
3クリック | 音声アシスタント | 曲送り |
長押し | ゲームモード | モード切替 ・ANC ・外音取込 ・ノーマル |
デフォルトでは曲戻しと音量調整が設定されていませんが、アプリを通して操作方法をカスタマイズ可能です。
長押し以外の箇所に一通りの操作を振り分けることが出来ます。
誤タッチが気になる場合は1タップをOFFのままでもいいですし、音量をイヤホンで操作したい場合は1タップ目に入れると良い感じかなと思います。
基本操作だけでなく低遅延モードまでイヤホンで操作可能なため使い勝手はとても良いと言えます。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【QCY】の主な機能
ArcBudsで使える主な機能
- ノイキャンモード
- イコライザー
- 操作カスタマイズ
- ゲームモード
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
その他の機能
使って気付いた注意点まとめ
- 説明書に日本語無し
- アプリの利用には会員登録が必要
1.
日本語の説明書は付属しません。
下記オンライマニュアルを参照しましょう。
2.
操作カスタマイズなどでどうしても必要になる専用アプリですが、会員登録をしないと使えないという欠点があります。
自分は随分前に登録しましたが、登録したメールアドレスに迷惑メールがくるといったことは無かったです。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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7.3/10 |
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ノイキャン |
|
8/10 |
外音取り込み |
|
9/10 |
装着感 |
|
7.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
値段や機能が似通ったHT05と比較してみました。
どちらも値段の割にどの機能も実用レベルにあり音も良しという非常にコストパフォーマンスの良いTWSだと思います。
2つの主な違いは以下の通りです。
ArcBuds | HT05 | |
音質 | 低~中音域にボリューム | フラット寄り |
ケースサイズ | 極小 | 並 |
装着感 | 並 | 軽さと安定感を両立 |
見た目 | すっきり | やや目立つ |
ノイキャン・ヒアスルー・ゲームモードなどの機能性はほぼ同じでした。
値段はArcBudsの方が僅かに安いですがセールなどでよく値動きするので微々たる差だと思います。
TWSが初めてという方も上記の違いから好みにあいそうな方を選べばコスパ良く完全ワイヤレス生活が始められると思います。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。