- 強調感のない自然なサウンドが心地良い
- 高機能(ANC・マルチポイント・多機能アプリ等)
- 圧迫感は少ないのに安定性の高い装着感
- ノイズキャンセリングはマイルドな効き目
総合評価 |
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8.5/10 |
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TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはJBLの完全ワイヤレスイヤホン、TUNE BEAM。
JBLの公式オンラインストア(Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング公式店含)とJBL Store 横浜のみの限定販売みたいです。
1万円少々のミドルクラスTWSながら、2台同時接続可能なマルチポイントやノイズキャンセリング機能といった欲しい機能が全部入り。
JBLの完全ワイヤレスイヤホンは1万円台でいくつかラインナップがありますが、それらと比較してどうなのか?
TUNE FLEXやLIVE FREE 2などの手持ちのイヤホンと聴き比べてチェックしていきます。
JBL TUNE BEAMの特徴
同価格帯JBL製品とのスペック比較表
TUNE BEAM (Amazonリンク) |
TUNE FLEX (Amazonリンク) |
LIVE PRO 2 (Amazonリンク) |
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定価 | 12,100円 | 13,200円 | 17,600円 |
連続再生時間 | 12時間 48時間(ケース込) |
8時間 32時間(ケース込) |
10時間 40時間(ケース込) |
ドライバー | 6mm ダイナミック | 12mm ダイナミック | 11mm ダイナミック |
コーデック | SBC・AAC | SBC・AAC | SBC・AAC |
防水性能 | IP54 | IPX4 | IPX5 |
ノイキャン | ○ | ○ | ○ |
マルチポイント | ○ | × | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ | ○ |
低遅延モード | ○ | ○ | ○ |
その他の機能 | 急速充電(15分充電で4時間再生可) LEオーディオ対応予定 |
2Way装着 急速充電(10分充電で2時間再生可) |
急速充電(15分充電で4時間再生可) ワイヤレス充電 LEオーディオ対応予定 |
JBLの中では比較的安価なTWSながら上位機種に劣らない機能を有しています。
それどころか連続再生時間や防塵機能については比較したJBLの同価格帯TWSよりも上。
将来的にアップデートでLE Audioにも対応するようです。
LE AudioはSBCより少ないビットレートで高品質を維持できる・低遅延であるといった特徴があるとされています。
他社製品ではこの価格帯でもLDACやaptX Adaptiveといったハイレゾ相当で聴けるコーデックに対応したTWSも少なくありません。(参考:価格帯別ハイレゾ対応TWS一覧)
SBCとAACにしか対応していないTUNE BEAMはコーデックの面で不利に見えるかもしれませんが、過去レビューしてきたミドルクラスのJBLイヤホンはSBCやAACでもさすがのチューニングで十分に良い音でした。
音質についてはこのあと実際に聴いて評価していきますが、今回もあまりコーデックにとらわれる必要はないかなと思っています。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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TUNE BEAM スケルトンデザインとその他の違い
2023年12月14日にTUNE BEAMにスケルトンデザインが追加されました。
内部が透けて見える素材には航空機の窓などにも使用されるハイグレードポリカーボネートが使用されており、経年劣化による黄ばみを抑制するそうです。
機能などの基本性能に違いはないようですが、定価が13,400円と他のデザインより少し高めの設定となっています。
JBL TUNE BEAMの外観・付属品チェック
イヤホン本体
イヤホンケース
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
JBL TUNE BEAM 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:49.0mm 横:64.3mm 高さ:30.6mm 三辺合計:143.9mm |
重さ | イヤホン:5.0g ケース:50.0g |
イヤホンは標準的なサイズ・重量。
イヤホンケースはJBLのTWSの中では結構厚みのある方ですが、片手で握れるくらいのサイズ感なので十分なコンパクトさと言えるでしょう。
(参考:レビュー履歴:完全ワイヤレスイヤホン イヤホンケース 小さい順)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 323ms(SBC) | 414ms(AAC) |
低遅延時 | 139ms(SBC/ビデオモード) | 241ms(AAC/ビデオモード) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでの遅延=約0.139秒の遅延
- iPhoneでの遅延=約0.241秒の遅延
専用アプリからビデオモードに切り替えることで遅延を少なくすることができます。
Androidでは動画視聴やゲームプレイも気にならない程度の遅延。
(音ゲーは厳しい)
iPhoneだとビデオモードにしてもやや遅延が気になるかと思います。
ただ、Netflixなどではアプリ側で遅延補正が入るためサブスク系サービスでの動画視聴は問題ありません。
(Youtubeを除く)
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
- | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
- | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
イヤホン自体には多くのイヤーピースが入りました。
しかし、ケースと干渉して収納することができないパターンが多かったです。
JBL TUNE BEAMをTUNE FLEXなどと比較レビュー
音質評価
ウォーム系、低~中音に比重を置いたサウンド。
しっかりとしたボリュームがあり、誇張感の無い自然な響きの低音がとても心地よいです。
ボーカルも芯が太く、情感を感じられるものとなっています。
高音は良く言えば刺激を感じない優しい鳴りで、悪く言えば少し暗めで地味。
専用アプリにイコライザーがあるので気になる場合は少し持ち上げてあげてもいいかもしれません。
カナル型とインナーイヤー型を切り替えて使うことができるTUNE FLEX(カナル型時)と視聴比較。
TUNE FLEXはカナル型用・インナーイヤー型用、それぞれの音質モードが用意されています。
そのため、自然な音の響きのTUNE BEAMと比較するとTUNE FLEXの方がやや人工的な感じが伝わってきます。
音の傾向は中域にボリュームがあり、低音の質感はTUNE BEAMの方が優れています。
高音はTUNE FLEXの方が明るめですが、人によっては少しカサカサした感じが気になるかもしれません。
次にLIVE FREE 2との比較。TUNE BEAMの上位機種に当たるLIVE PRO 2の兄弟機です。
(LIVE PRO 2 とLIVE FREE 2の違いはショートスティック型か豆粒型かという装着感の部分)
低音~中音の鳴り方はTUNE BEAMと非常に似ていて、高音域に値段なりの差を感じます。
LIVE FREE 2の高音は伸びやかでツヤ感があり、全体的な見通しの良さが秀逸です。
それぞれの特徴まとめ
- TUNE FLEX:中音域にボリューム。カナル型とインナーイヤー型を切り替えることで装着感・聴き心地を変化させられる。
- TUNE BEAM:低~中音域にボリューム。低価格帯ではあまりない誇張感の無い自然な音の響きに浸れる。
- LIVE FREE 2:バランス。3の中では1番高価ですが、上から下まで非常にバランスの取れたサウンド。
音質 |
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8/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
総合的にはマイルド寄りな効き目。
低音ノイズはそこそこカットしてくれます。
中音~高音ノイズは残り気味。
軽い装着感故にあまりノイズキャンセリングは得意ではないTUNE FLEXと比較するとTUNE BEAMの方が低音ノイズをよりカットしてくれているのがわかります。
LIVE FREE 2と比較するとハイブリッドノイズキャンセリングを搭載したLIVE FREE 2の方が消音効果は随分高いです。
上位機種との一番の違いはここの部分の差ということになりそう。
外側と内側のマイクでノイズ処理しているLIVE FREE 2と違ってTUNE BEAMはおそらく外側のマイクだけだと思うんですが、密閉性の高い装着感のためか一般的なフィードフォワード式ノイキャンより少し効果が高めに感じました。
ノイキャンの効き具合比較
- LIVE FREE 2>>TUNE BEAM
- TUNE BEAM>TUNE FLEX
- LIVE FREE 2(8)>>TUNE BEAM(5)>TUNE FLEX(4)
(参考:JBL TUNE BEAMのノイズキャンセリングの強さを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度ランキング)
ノイキャン |
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5/10 |
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外音取り込み機能の評価
TUNE BEAMには2種類の外音取り込みモードが搭載されています。
集音能力は高く、イヤホンをしたまま外音を取りこぼすことなく聞くことができます。
しかし、マイクで取り込んだ感は強め。
外音取り込み時にサーッという音が入るので“ながら聴き”にはあまり向かない印象です。
TUNE FLEX・LIVE FREE 2との比較。
TUNE FLEXは装着感や“ながら聴き”に特化したイヤホンなので外音取り込み音も自然で違和感の少ないものとなっています。
LIVE FREE 2はデフォルトではTUNE BEAMと同等の外音取り込み感。
しかし、LIVE FREE 2は外音取り込み量をアプリで調整可能となっています。
外音取り込み量を少し下げることでマイクで取り込んだ感を抑えることができます。(下げても十分に外音は聞こえます)
それぞれの違いまとめ
- TUNE BEAM:外音を聞くには十分な性能も“ながら聴き”には向かない
- TUNE FLEX:“ながら聴き”可能
- LIVE FREE 2:“ながら聴き”可能
外音取り込み |
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8/10 |
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装着感評価
高い密閉性を実現しつつも圧迫感は感じない絶妙なバランス。
ショートスティック型なので装着時の安定感も非常に高く、IP54と高い防塵防水性能を誇ります。
スポーツなどで使っても全く問題ないでしょう。
TUNE FLEXやLIVE FREE 2はどちらかといえば軽めの装着感がウリ。
装着したときの安定感はTUNE BEAMが頭1つ抜けている印象です。
それぞれの特徴まとめ
- 耳に着けている感が薄い:TUNE FLEX・LIVE FREE2
- 装着時の安定感が高い:TUNE BEAM
装着感 |
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8.5/10 |
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マイク性能・通話品質について
通話時の音声はクリアです。
ただ、声は少し小さめに聞こえる印象。
TUNE FLEXとの差は感じませんが、LIVE FREE 2の方がより明瞭な聞こえ方ですね。
- TUNE BEAMとTUNE FLEXは4マイク
- LIVE FREE 2は6マイク
実はスペック面でも明確な違いが確認できます。
通話に問題ないレベルの品質ですが、イヤホンでよく通話をするという場合は上位機種を選んだほうが快適かもしれません。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | モード切替 ・ノイキャン ・アンビエントアウェア |
再生/停止 |
2クリック | トークスルー | 曲送り |
3クリック | - | 曲戻し |
3クリック | ボイスアシスタント | ボイスアシスタント |
初期設定は上記表の操作方法が設定されています。
3パターンの操作方法を左右に1つずつ割り振る方式。
実質的に音量調整は外さざるを得ないので音量は端末側で調整することになります。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【JBL Headphones】の主な機能
TUNE BEAMで使える主なアプリ機能
- アンビエントサウンドコントロール
- イコライザー機能
- スマートオーディオ&ビデオ(低遅延)
- ボイスアウェア
- ボリュームリミッター
- イヤホンを見つける
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
メイン機能一覧
ボイスアウェアとは
使って気付いた注意点
- マルチポイントは割り込み不可
1.
端末AとBの2台に同時接続している場合。
Aで音楽を再生中にBで音を流してもAの音楽は自動では止まってくれません。
Aの音を止めてからBで音を出す必要があります。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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8/10 |
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ノイキャン |
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5/10 |
外音取り込み |
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8/10 |
装着感 |
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8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
JBL TUNE BEAMはこんな方におすすめです。
- 強調感のない自然なサウンドを楽しみたい
- 多機能で使い勝手の良いTWSが欲しい
- 装着感は軽さより安定性を重視
音質面は強調感の無い自然なサウンドが特徴。
マルチポイントなど機能も豊富でアプリも大手らしいしっかりした出来栄え。
レスポンス良く、使い勝手も抜群です。
装着感は軽さよりも安定感が欲しい方に向いているかなと思います。
ノイズキャンセリングがある程度強力なものが欲しい場合はワンランク上のLIVE FREE 2 / LIVE PRO 2(Amazonリンク)を選んだほうが良いです。
逆にノイキャンをそれほど重視しないのであれば上位機種と遜色ないレベルの性能でこれまで以上にコストパフォーマンスの良いTWSと言えるでしょう。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。