僕は猫だった

TWSコレクターによるイヤホンレビューブログ

【EarFun Free Pro 3 レビュー】Air Pro 3と比較しつつコンパクトで多機能な完全ワイヤレスイヤホンを試す

Author:猫居こうた

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EarFun Free Pro 3 Review

  • パワフルなドンシャリサウンド
  • 軽さと安定性を両立した装着感
  • 多機能かつカスタマイズ性に優れた使い勝手の良さ
  • ノイキャン重視ならAir Pro 3の方が良い
総合評価
 
8.5/10

2023/12/07 追記:ファームウェアアップデートでノイズコントロール関連の修正が入ったので再評価しました

こんにちは、猫居です。

今回レビューするのは2023年10月30日発売の完全ワイヤレスイヤホン、EarFun Free Pro 3。

1万円以下のTWSながら-43dBを謳うANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載し、ハイレゾ相当の再生が可能なaptX Adaptiveや2台同時接続可能なマルチポイントにも対応。

期待の新作ですね。

というのも、今年のはじめにリリースされた同社Air Pro 3は2023年10月時点で個人的に今年1番のコスパイヤホンだと思っています。

前作Free Pro 2も超コンパクトな個体にキレのあるドンシャリサウンドと強力なノイキャンが同居した名機でした。

否が応でも期待が高まる本作ですが、実際の使用感はどうなのか。

上記2種と比較しつつチェックしていきます。

本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。

EarFun Free Pro 3のスペック・外観チェック

スペック表と特徴

  Free Pro 3
価格 9,480円
連続再生時間 ANC OFF
7.5時間
33時間(ケース込)
ANC ON
6時間

27時間(ケース込)
ドライバー 7mm
コーデック SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive / LC3
防水性能 IPX5
ノイキャン
マルチポイント
専用アプリ
低遅延モード
その他の機能 ワイヤレス充電
急速充電(10分→2時間)
説明書 FREE PRO 3取扱説明書(PDF)

特徴

  • クアルコム社先端チップQCC3072を搭載し、Snapdragon Soundに対応
  • CDの約3倍(96kHz/24bit)の情報量により、豊富な音楽情報量がもたらすハイレゾ相当の高音質コーデックaptX Adaptiveに対応
  • 2台同時接続可能なマルチポイントに対応
  • ハイブリッド式ノイズキャンセリング機能で最大43dBのノイズ低減
  • 計6基の通話用ENCノイキャンマイクを内蔵、クリアな通話を実現
  • 軽量設計による快適な装着感
  • さらに進化したアプリには豊富な機能を搭載
  • LE Audioに対応予定(今後のアップデートで対応予定)

(公式サイト:EarFun Free Pro 3より)

メモ

ハイエンド並の高機能。

1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンとしては最高峰のスペックです。

カタログ上はAir Pro 3とほぼ同等の性能ですが、これをFree Proシリーズらしいコンパクトサイズで実現したところに意味がありますね。

前作Free Pro 2からの進化点

  • ハイレゾ対応(aptX Adaptive)
  • マルチポイント対応
  • 専用アプリ対応(イコライザー等)
  • ノイキャン-40dB→-43dB(公称値)
  • ドライバーサイズ6mm→7mm
  • 連続再生時間5時間→6時間

(公式サイト:EarFun Free Pro 3 - myearfun.comより)

便利機能 S・A・B・C・D

外観・内容物のチェック

イヤホン本体

コンパクトで質感の良いイヤホンです。

イヤーフックが装着感の向上に寄与します。

イヤホンケース

シリーズの特徴とも言える超コンパクトケース。

前作との比較

微々たる差ではありますが、比べると若干ですがケースがサイズアップしています。

イヤホンも変わらないように見えて地味に厚みが増していますね。

外箱・付属品

付属品リスト

  • イヤーピース(シリコン5サイズ)
  • イヤーピース(ウレタン1サイズ)
  • イヤーフック
  • クリーニング棒
  • 充電用ケーブル
  • 説明書類

通常のシリコンタイプのイヤーピースだけでなく、フォームタイプのイヤーピースまで付属しています。

EarFun Free Pro 3 測定データ

重さ・サイズ実測値

ケースサイズ 縦:26.5mm
横:67.2mm
高さ:30.2mm
三辺合計:123.9mm
重さ イヤホン:5.3g
ケース:30.7g

ケースは前作より僅かにサイズアップしていますが、それでも完全ワイヤレスイヤホンの中でトップクラスのコンパクトさ。

イヤホンもコンパクトな部類で、重さは並くらいです。

リップスティック2個分くらいのサイズ感なので軽々持ち運べます。

(参考:小さい順:完全ワイヤレスイヤホンのケースサイズ比較表)

携帯性 S・A・B・C・D

遅延測定結果

  Android・PC その他 iPhone
通常時 268ms(SBC)
292ms(aptX)
255ms
(aptX Adaptive/高音質モード)
327ms(AAC)
低遅延時 124ms(SBC)
143ms(aptX)
215ms
(aptX Adaptive/ゲームモード)

100ms前後
(aptX Adaptive/低遅延モード)
181ms(AAC)

100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。

  • Androidでの遅延=0.1~0.215秒
  • iPhoneでの遅延=0.181秒

iPhoneではゲームモードで運用すればゲームや動画視聴時にぎりぎり許容できる範囲の遅延。

Androidでは接続するコーデックによって遅延が変わってきますが、概ねゲームや動画視聴をするのに気にならない程度の遅延だと思います。

ただし、aptX AdaptiveでゲームモードをONにしてもあまり効果がない点には注意してください。

ややこしい話ですが、aptX Adaptiveのゲームモードと低遅延モードは別物です。

低遅延モードは接続が不安定な時やゲーム・動画視聴中と判別されたときに自動で切り替わります。

任意に切り替えることは出来ないので、自分で遅延をコントロールしたい場合はアプリからaptX AdaptiveをOFFにしてSBC接続でゲームモードをONにするのがもっとも低遅延となります。

交換イヤーピース対応表

SONY
ハイブリッドイヤーピース(M)
AZLA
SednaEarfit Crystal(M)
SONY
トリプルコンフォートイヤーピース(M)
final
TYPE E(M)
COMPLY
TG-200 トゥルーグリップ(M)
Spinfit
CP360(M)
後継→OMNI
NUARL
Magic Ear+(M)
後継→Magic Ear+7
日本ディックス
COREIR BRASS(M)

(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)

大抵のイヤーピースは入ると思います。

個人的にはType Eが良かったです。

EarFun Free Pro 3 詳細レビュー

音質評価

EarFunらしいドンシャリサウンド。

Air Pro 3では重低音寄りのサウンドになって結構驚きましたが、今作では従来のEarFunサウンドに回帰しています。

Air Pro 3と比較すると低音の量感が少し減り、切れ重視に。

少し減ったとはいってもかなりの量感があるので低音の迫力はしっかり感じられます。

また、中音・高音の明瞭感もUP。

Free Pro 2と比較すると、中音・高音域の明瞭感がかなりあがっています。

一方で低音は量感が増して少し輪郭があやふやに感じるところも。

疾走感溢れるサウンドからやや重心が低音寄りのパワフルなドンシャリサウンドになったと言えるでしょう。

三者三様のサウンドといった感じで、この辺は好みで選ぶと良いかも知れません。

 

数種類のプリセットとカスタムイコライザーが用意されています。

音質
 
7.7/10

ノイズキャンセリング機能の比較

デフォルトのシリコンタイプのイヤーピースでは、そこそこのノイキャン効果。

大きめなノイズもある程度カット出来ますが、無音まではいかない感じです。

Air Pro 3と同等のノイズキャンセリング効果を謳っていますが、そこまで強力な効果は実感できず。

Air Pro 3のようなガツンとノイズがカットされる感覚がないなぁ…というのは装着した瞬間すぐにわかるくらい。

なんならFree Pro 2よりちょい弱いくらいでした。

もしかして付属のフォームタイプのイヤーピースで遮音性を高めたら-43dBになるということなのかな?と思い換装。

すると高音ノイズはAir Pro 3よりさらにカットできていました。

低音ノイズはそれでもなおAir Pro 3の方が消せているかなという感じ。

総合的には同等くらいのかなり強力なノイキャンと言えそうです。

*追記

ファームウェアアップデートでノイズキャンセリング機能が修正されたみたいなので再度チェック。

【耳適応:デフォルト-みみ1-みみ2-みみ3】

というよくわからないものが追加されていました。

自分の外耳道に一番合うモードを選んでねってことですかね…。

自分はデフォルトで良いように思ったのでデフォルトでテスト。

相変わらずAir Pro3よりは明らかに弱く、Free Pro 2よりも若干弱い印象。

正直それほど大きな変化は感じられませんでした。

なので評価もそのままとします。

シリコン時

ノイキャン
 
7/10

フォーム時

ノイキャン
 
8.5/10

(参考:EarFun Free Pro 3とAir Pro 3のノイズキャンセリングの強さを表で見比べ|ノイキャン強度ランキング)
コスパの良さがわかる!ノイズキャンセリングイヤホンの強さ比較ランキング

外音取り込み機能の評価

外音取り込み機能はややこもった聞こえ方。

イヤホンをしていない状態の音量を10とすると、外音取り込み時は7.5~8くらいでしょうか。

駅などでアナウンスを聞くのには問題ありませんが、イヤホンをしたまま会話をするにはやや心許ない感じ。

外音取り込み機能に関してはAir Pro 3やFree Pro 2の方が明瞭で聞き取りやすいです。

*追記

ファームウェアアップデートで外音取り込み機能が改善されたみたいなので再度チェック。

【デフォルトモード】と【全ての外音】の2種類が選べるようになっていました。

【デフォルトモード】では人の声にフォーカス、【全ての外音】は読んで字の如くですね。

【全ての外音】だとビリビリビリ…という異音が入って全く使い物になりません。

これはたぶん後日さらに修正が入るのではないでしょうか…。

【デフォルトモード】はサーというマイクで拾ったようなノイズが少し増したかわりに集音力もUPしたという印象。

アップデート前はイヤホンをしていない状態の音量を10とすると、外音取り込みモード時は7.5くらいの音量でした。

それが今回のアップデートで人の声に関してはほぼ10に近いくらいの音量で聞けます。

アップデート前は外音取り込み機能で人と話すのはちょっと気が引ける感じだったので使いやすくなったと感じます。

アップデート前7.5→アップデート後8.5に評価修正

外音取り込み
 
8.5/10

装着感評価

小型で軽いつけ心地ですが、イヤーフックがついているおかげで安定感もしっかりあります。

前作よりイヤホンの厚みが少し増しましたが、圧迫感は感じません。

ちょっとやそっとの動きではズレることもないのでジョギングなどでも問題なく使用できました。

Air Pro 3のようなタイプと比べても軽めの装着感でフィット感も良いので快適です。

装着感
 
9/10

マイク性能・通話品質について

通話をするには問題ない音量・クリアさ。

周囲のノイズも結構しっかり抑えてくれる印象。

ただ、Air Pro 3と比べるとややざらつきを感じる音声ではあります。

通話性能を重視するならAir Pro 3の方が良いでしょう。

通話品質 S・A・B・C・D

操作方法と操作性評価

  L側 R側
1クリック 音量DOWN 音量UP
2クリック 再生/停止 再生/停止
3クリック 曲戻し 曲送り
長押し モード切替
・ANC
・外音取込
・ノーマル
音声アシスタント

すべての操作をイヤホンから操作可能です。

また、アプリで操作方法をカスタマイズすることも出来ます。

非常に細く設定することができるので、【前使っていたイヤホンと同じ操作方法に割り当て】といったように、自分なりのベストな配置に変更できます。

僕はRの音声アシスタントをゲームモードに変更して使用中です。

操作性 S・A・B・C・D

専用アプリ【EarFun Audio】の主な機能

主な機能一覧

  • ノイズコントロール
  • イコライザー
  • ゲームモード
  • 操作方法のカスタマイズ
  • 接続コーデックの切り替え
  • 『探す』機能

ホーム画面

ノイズコントロール

接続コーデックの切り替え

『探す』機能

使って気付いた注意点まとめ

  1. 風ノイズ低減モードは初回ファームウェアアップデートで追加
  2. マルチポイントは割り込み不可

1.

タッチ操作の無効化もこのアップデートで追加されます

2.

Free Pro 3のマルチポイントは通常仕様の挙動でした。

Free Pro 2 /Air Pro 3との違い 比較結果まとめ

Free Pro 2との違い

  • イコライザーが使えるように
  • マルチポイントに対応
  • アプリ対応で使い勝手向上
  • サイズは若干UP
  • ノイズコントロールはFree Pro 2の方がやや上手か

Airo Pro 3との違い

  • コンパクトさ
  • 音のバランスの良さ
  • 装着感の軽さ
  • ノイキャンはAir Pro 3の方が効く
  • 外音取り込み機能はAir Pro 3の方が明瞭
  • マイクはAir Pro 3の方がクリア

総合評価

メイン機能評価

音質
 
7.7/10
ノイキャン
 
7/10
外音取り込み
 
8.5/10
装着感
 
9/10

使い勝手評価

操作性 S・A・B・C・D
携帯性 S・A・B・C・D
便利機能 S・A・B・C・D
通話品質 S・A・B・C・D

総評

EarFun Free Pro 3はこんな方におすすめです。

  • ノリ良く音楽が聴けるドンシャリサウンドが好み
  • 耳が小さい、装着感は軽いほうが好み
  • カスタマイズ性、使い勝手を重視

非常にコンパクトなイヤホンにハイエンド並の機能が詰まった完全ワイヤレスイヤホンです。

ノリ良く聴けるパワフルなドンシャリサウンドに軽めの装着感。

多機能かつカスタマイズ性に優れているので使い勝手も抜群です。

一方で、ノイズコントロールに関しては同社Air Pro 3の方が優秀。

-重低音を重視したい、ノイキャンも重要、通話にも使いたい

そんな場合はAir Pro 3の方が満足度は高いでしょう。

今回は以上となります。

また次回のレビューでお会いしましょう。