- リスニングに最適な高音質ドンシャリサウンド
- TOPクラスに強力なノイズキャンセリング機能
- 空間オーディオ機能も面白い
- マルチポイントには非対応
- ノイキャンON時の連続再生時間が短め
- 操作を割り当てられる箇所が少ない
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
今回レビューするのは2023年10月23日発売の完全ワイヤレスイヤホン、EDIFIER NeoBuds Pro 2。
定価19,990円、同社ハイエンドモデルとなります。
Knowles社製のBAドライバーと10mmDDドライバーを組み合わせたハイブリッドドライバーを採用し、-50dBを謳う高性能ノイズキャンセリング機能も搭載。
さらにヘッドトラッキング機能を備えた空間オーディオなど、多数の機能を備えた高スペックイヤホンです。
2万円以下の完全ワイヤレスイヤホンながら3~4万円レベルの他社ハイエンド製品と比較しても引けを取らないほどの高スペックですが、その実力はいかに。
音質、ノイキャンなど機能別に詳しくチェックしていきます。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
EDIFIER NeoBuds Pro 2のスペック・外観チェック
スペック表と特徴
【NeoBuds Pro 2】 | |
価格 | 19,990円 |
連続再生時間 | ANC OFF 5.5時間 22時間(ケース込) ANC ON 4時間 16時間(ケース込) |
ドライバー | Knowles社製バランスドアーマチュアドライバー + 10mm 大口径多層振動板ダイナミックドライバー |
コーデック | SBC / AAC / LDAC / LHDC |
防水性能 | IP54 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | - |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ○ |
その他の機能 | 急速充電(15分→2時間) 着脱検知 Google Fast Pair |
説明書 | NeoBuds_Pro_2_User Manual(PDF) |
特徴
- ハイブリッドドライバー搭載:中高音の再現に優れるKnowles社製の高性能BA型ドライバーと迫力満点の低音を得意とする大口径多層振動板10mmDDドライバーを組み合わせ、心に響く素晴らしいサウンドを表現
- ヘッドトラッキング機能搭載の没入型360°空間オーディオ
- ハイレゾ相当の再生が可能なコーデック、LDAC(24bit/96kHz)・LDHC(24bit/192kHz)に対応
- 特許技術「ワイドバンドマルチチャネルANC」を搭載し、-50dBのノイズキャンセリングを実現。周囲の騒音を徹底的にカット
- 最先端のAI搭載スマートノイズキャンセリング技術と左右合計8つのマイクを使用したビーム・フォーミング・アルゴリズムによって周囲のノイズを的確にキャンセル。声の細部までクリアに伝える聞き取りやすい通話を実現
(公式サイト:EDIFIER公式 | NeoBuds Pro 2 より)
メモ
ノイキャンON時の連続再生時間が4時間はやや短めと言えます。
休日ずっと着けっぱなしとかだと途中で15分ほど充電を挟む必要が出てくるかも知れません。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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外観・内容物のチェック
イヤホン本体
NeoBudsシリーズのデザインを踏襲しつつ質感を高めたイヤホン。
イヤホンケース
2万円まででお目にかかれる完全ワイヤレスイヤホンの中でも最高クラスに質感の良いケースだと思います。
なんとなくワイヤレス充電に対応していそうな面構えですが、ワイヤレス充電には対応していません 笑
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース(7種類)
- 収納ポーチ
- 充電用ケーブル
- 説明書類
EDIFIER NeoBuds Pro 2 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:55.1mm 横:67.9mm 高さ:30.2mm 三辺合計:153.2mm |
重さ | イヤホン:5.4g ケース:47.3g |
イヤホン・ケース共に最近のTWSとしてはやや大きめ。
とはいえ、ポケットには入るサイズです。
重さも並くらいといったところ。
(参考:完全ワイヤレスイヤホンのイヤホンケースサイズ比較表)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 221ms(SBC) 204ms(LDAC) |
299ms(AAC) |
低遅延時 | 125ms(SBC) 196ms(LDAC) |
304ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでの遅延=約0.125秒
- iPhoneでの遅延=約0.299秒
まずSBC接続時以外、LDAC・AAC接続でゲームモードにしてもあまり効果が得られませんでした。
低遅延にしたいときはSBCで接続の上ゲームモードをONにしたほうがいいです。
AndroidでSBC接続した時はゲームや動画も遅延を気にせず楽しめると思います。
音ゲーは辛いですが。
iPhoneの場合、コーデックはAACに固定されるので選べません。
約0.3秒の遅延はゲームをするには厳しい感じです。
動画視聴に関してはNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものなら問題ありません。
(Youtubeアプリは不可)
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
多くのイヤーピースと適合します。
サイズの大きいイヤーピースはケースに入らないことがありました。
EDIFIER NeoBuds Pro 2 詳細レビュー
音質評価
ハイブリッドらしい元気の良いサウンドです。
解像度の高いややクール寄りな音で、ごりごりのドンシャリ。
デフォルトでは音場はそれほど広くない印象。
低音域はかなりの量感があり、深度も相当なもの。
適度な締りはキレと程よい響きの良さが感じられ、気持ちの良い低音です。
非常に迫力満点に鳴らしてくれます。
中音域は少し凹む印象ですが、ボーカルは非常に前のめりなため迫力の低音に負けません。
高音域は明るくかなり主張強めですが、刺さりはなく伸びやか。
Knowledge製BAの質の良さが伝わってきます。
チューニングが非常にうまく、リスニング向きな楽しく音楽を聴ける仕上がりです。
この価格帯のTWSとしてはかなりの高音質といえます。
音質 |
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9/10 |
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空間オーディオについて
ヘッドトラッキング機能を搭載した独自の空間オーディオ機能について。
サービスやデバイスに縛られず、どんな音源も空間オーディオとして聴けるタイプとしては優秀な部類に入ると思います。
ヘッドトラッキング機能のおかげで右を向けば左から・後ろを向けば後ろから音がするので音像が正面にあるのがはっきりとわかります。
同タイプで極上の空間オーディオとも言えるBose QuietComfort Ultra Earbudsと比較。
空間表現力はQuietComfort Ultra Earbudsほどはありませんが、充分な広がりを感じられます。
QuietComfort Ultra Earbudsは空間オーディオにしても全く劣化や破綻ない音なのがすごいところですが、NeoBuds Pro 2は流石にそこまでの精度はありません。
具体的にはヘッドトラッキングの精度はそれなりで徐々にズレていきます。(画像中央の「トラッキング」をクリックすると再補正されます)
またミュージックモードと比べて明瞭感がかなり落ちます。
しかしデフォルトではクール寄りで狭めな音場感のサウンドが一気に広がりを見せて熱気を帯びた物となり、これはこれで面白いといった感じです。
ノイズキャンセリング機能の比較
-50dBを歌うノイズキャンセリング機能を搭載した本機ですが、非常に強力な消音効果です。
特に中音・高音へのノイズカット効果が高く、他のANCイヤホンと比較してもTOPクラスの効き目でした。
-43dBを謳うEarFun Air Pro 3や-45dBのSOUNDPEATS Air4 Proと使い比べても明らかに上。
同価格帯のノイキャン重視のTWS、Anker Soundcore Liberty4 NCと比較すると低音はLiberty4 NCの方がノイズカットできています。
ただ、中音・高音はNeoBuds Pro 2の方が効果的にカットできているという感じです。
総合的にはLiberty4 NCより上、SONY WF-1000XM4のANCと比較してほぼ同じ…僅かに劣るかな?くらいの消音力。
2万円以下で購入できる完全ワイヤレスイヤホンとしては現時点で最高のノイキャンだと思います。
(参考:EDIFIER NeoBuds Pro 2のノイズキャンセリングの強さを他社ANCイヤホンと比較)
ノイキャン |
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9.5/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み機能はどのモードでもマイクで取り込んだようなサーッというノイズが多少入ります。
取り込み量自体は充分で自然な感じ。
イヤホンをしていないときとさほど変わりなく人の声を聞くことができます。
イヤホンをしたまま駅などでアナウンスを聞くのはもちろん、人と会話をすることも可能です。
外音取り込み |
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8,5/10 |
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装着感評価
大ぶりに見えるイヤホンですが、見た目よりだいぶ装着感は良いです。
耳のくぼみにすっと収まる感じで、耳への圧迫感は少なめ。
ねじ込む・はめ込むといった感じのつけ心地ではなく、添えているという感じに近い感覚です。
なのである程度長時間の着用も苦になりません。
フィット感もそこそこ良く、ジョギング程度なら問題なさそうです。
装着感 |
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8.5/10 |
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マイク性能・通話品質について
やや温みのあるボイス。
静かな環境ではクリアな通話が可能です。
ただ、周囲が騒がしい時や風が強いときには要注意。
通話ノイズキャンセリングが効いている間は自分の声も抑えられてしまい、ブツブツと途切れがちでした。
あまり騒がしい場所での通話には向かない印象です。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | - | - |
2クリック | ANCモード | 再生/停止 |
3クリック | シーンモード* | 曲送り |
*シーンモード=ミュージックモード・ゲームモード・空間オーディオモードの切り替え
誤タップ防止のためか1クリックが無効化されており、操作を割り当てることも出来ません。
操作の割り当ては2クリック・3クリックのみなのでどうしてもイヤホンからは操作できない項目が出てきます。
自分の場合はシーンモードを削って曲戻しにしています。
そのため音量調節はデバイス側から操作するといった感じですね。
長押しにも割り当てることができれば音量調節も入れられるのですが…。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【Edifier Connect】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- シーンモード(ゲームモード/空間オーディオ)
- ヒーリングサウンド
- イコライザー
- 着脱検知の設定
- ハイレゾコーデックのON/OFF
ホーム画面
ヒーリングサウンド
癒し系ミュージックをアプリから再生することが出来ます。
ベッドで寝るときにつけるようなイヤホンではないので新幹線や飛行機などの長距離移動用でしょうか。
設定項目
着脱検知の設定
デフォルトではイヤホンを外すと音楽が一時停止、着けると再生再開となっています。
自分は着け直したときに再生再開されるのはあまり好きではないので1番下の設定にしています。
使って気付いた注意点
- (初回)LDACはアプリからONにする
- ゲームモード使用時はSBC接続を推奨
- 空間オーディオとハイレゾ再生は併用できない
1.
デフォルトではハイレゾコーデックのLDAC/LHDCはOFFになっているので、アプリからONにする必要があります。
その際、再度ペアリングすることになります。
一度ONにしてしまえば、開発者向けオプションやBluetooth Codec ChangerでSBC⇔LDACと切り替えることが可能でした。
2.
遅延測定結果の項目で書いたとおりですが、AACやLDACではゲームモードの効果を確認できませんでした。
SBC接続でゲームモードにすることで効果を発揮します。
3.
LDAC接続中に空間オーディオにしようとすると上記のようなメッセージが出ます。
空間オーディオを利用する際はLDAC/LHDCをOFFにしてからにしましょう。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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9/10 |
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ノイキャン |
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9.5/10 |
外音取り込み |
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8.5/10 |
装着感 |
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8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
NeoBuds Pro 2はこんな方におすすめです。
- 音質・ノイキャンどちらもハイレベルなものが欲しい
- ノリ良く聴けるサウンドが好み
- 空間オーディオも試してみたい
2万円以内で購入できる完全ワイヤレスイヤホンとしては音質ノイキャンどちらも最高レベル。
3〜4万円の高価格帯でも音質とノイキャンをハイレベルで両立したイヤホンは中々ないので、これが2万以下というのは相当強いと思います。
マルチポイントがないのが唯一残念なポイントですかね。
逆にマルチポイント不要という方には物凄くおすすめです。
本当に音良し、ノイキャン良しの素晴らしい出来栄えでした。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。