完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。
今回はドイツの老舗オーディオブランドSENNHEISER(ゼンハイザー)の完全ワイヤレスイヤホン(TWS)について比較分析していこうと思います。
ゼンハイザーは音質の良さで有名ですが、完全ワイヤレスイヤホンの分野でもそのクオリティは健在です。
数多くTWSを使用してきましたが、ワイヤレスイヤホン選びの有力候補となるブランドなのは間違いないでしょう。
僕自身はスポーツ用の『SPORT True Wireless』以外すべてのゼンハイザーTWSを所持・使用してきました。
旧モデルでもまだまだ現役で活躍できる性能のものもあり、見た目が似ているイヤホンが多いためどれを買えばいいか迷う方も多いと思います。
そこで今回は使ってきたからこそわかるゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンの特徴や違い、そしてイヤホンごとのターゲット層について説明していきます。
ゼンハイザー完全ワイヤレスイヤホンの種類と傾向
エントリーモデルの『CX』シリーズとハイエンドモデルの『Momentum』シリーズの2種類がメインで発売されています。
それに加えてスポーツモデルの『SPORT True Wireless 』という構成です。
CXシリーズはエントリーといってもミドルクラスの価格帯。
安価なモデルが無い分、音質に妥協がないのが最大の特徴です。
広大な音場と聴き疲れしない上質なサウンドが共通点。
どのイヤホンを選んでもゼンハイザーらしい音を楽しめるので満足感は高いです。
ゼンハイザー完全ワイヤレスイヤゴンそれぞれの特徴と違い
発売順に辿ってきた変化を紹介
ゼンハイザーTWSの特徴を発売順に説明していきます。
どう変わっていったのかを知ることで大体の違いと各イヤホンのイメージが掴めると思います。
MOMENTUM True Wireless(MTW)の特徴とおすすめな人
音質 | コーデック | ノイキャン | BASSブースト | |
MTW | ○ 低音寄り |
SBC AAC aptX aptX-LL |
- | - |
音ゲーをTWSでしたい人にオススメ
2018年発売のゼンハイザー初の完全ワイヤレスイヤホン。
当時約4万円。
最近ではAmazonで18000円弱で買えます。
広大な音場に中毒性の高い濃厚な低音が魅力。
ノイズキャンセリングはありません。
さすがに古いので普通に音楽を聴くだけが目的なら出番は無いのですが、一部の人にとっては非常に有用なイヤホンです。
実はこの初代MOMENTUM True Wirelessは超低遅延コーデックのaptX LLに対応している数少ない完全ワイヤレスイヤホンなのです。
最近のTWSには低遅延モードが搭載されていたり、高音質・低遅延を謳うaptx Adaptive対応のものもありますが、それ以上の低遅延。
有線とほぼ大差ないレベルの遅延を達成しており、音ゲーなどをワイヤレスでするなら必須のコーデックと言われています。
音質的にも上質なゼンハイザーサウンドを楽しめますし、完全ワイヤレスイヤホンでゲームをしたい人にとっては未だに有力な選択肢です。
【MOMENTUM True Wirelessの詳細レビュー】
MOMENTUM True Wireless 2の特徴とおすすめしない理由
音質 | コーデック | ノイキャン | BASSブースト | |
MTW2 | ○ フラット寄り |
SBC AAC aptX |
△ | - |
廉価版が出ているので‥
2020年発売の2代目MOMENTUM True Wireless。
Amazon販売価格は25000円弱。
広大な音場はそのままに解像感がアップ。
低音はやや抑制的になってフラット寄りに。
全体的な見通しが良くなりました。
イヤホンサイズが小型化して装着感も良くなるなど全体的にパワーアップした印象を受けました。
しかし、MOMENTUM True Wireless 1の中毒性の高い低音が忘れられないという声も結構多かったようでこの違いがのちの製品開発に少なからず影響を与えたと思われます。
(低音好きのためにBASSブーストモードの実装)
なお、ノイズキャンセリング機能を搭載していますが今の基準でみると効果はかなり弱めです。
いま見ても良いイヤホンですが、後述のCX Plus True WirelessがMOMENTUM True Wireless 2の廉価版としてリリースされています。
今から買うなら性能的にもあちらを選んだほうが良いでしょう。
【MOMENTUM True Wireless 2の詳細レビュー】
CX 400BTとCX True Wirelessの違い、それぞれの特徴
音質 | コーデック | ノイキャン | BASSブースト | |
CX 400BT | ○ フラット寄り |
SBC AAC aptX |
- | - |
CX TW | ○ 低音寄り |
SBC AAC aptX |
- | ○ |
ノイキャン不要でコスパ良くゼンハイザーサウンドを楽しみたい人にオススメ
発売時期としてはCX 400BTが出たあとにCX True Wirelessがリリースされました。
どちらもノイズキャンセリング無しのエントリーモデル。
Amazon販売価格は14000円前後。
CXシリーズから既存イヤホンと比べて装着感と遮音性がさらに向上しています。
まずCX 400BTについて。
こちらはMOMENTUM True Wireless 2と同様のドライバーを使ってガワを変えた廉価版。
音の傾向もMOMENTUM True Wireless 2とほぼ同じでフラット寄りな音に広大な音場、1万円台でこの音が味わえるコストパフォーマンスは凄いです。
次にCX True Wireless。
こちらもMOMENTUM True Wireless 2と同等のドライバーが使用されています。
しかし音質的にはどちらかといえばMOMENTUM True Wireless 1に近いサウンド。
低音に量感があり、情感溢れるサウンドが聴きたいならこちら。
どちらもノイズキャンセリング無しでいいなら格安でゼンハイザーサウンドが楽しめるという意味で1つの選択肢となるでしょう。
CX Plus True Wirelessの特徴とおすすめな人
音質 | コーデック | ノイキャン | BASSブースト | |
CX Plus TW | ○ フラット寄り |
SBC AAC aptX aptX Adaptive |
○ | ○ |
他社ハイエンドイヤホン並の性能をミドル価格でGETしたい人にオススメ
CX True Wirelessにノイズキャンセリングが搭載されたモデルとして登場。
Amazon販売価格は2万円弱。
Amazoの販売ページをみても同じページ内で両方が売られており、違いはノイズキャンセリングの有無しか無いように見えます。
しかし実際は音の傾向からして違います。
CX Plus True WirelessはどちらかといえばMOMENTUM True Wireless 2に近い音であり、CX 400BTにノイキャンがついたといったほうが実態に近いです。
aptXAdaptiveに対応しているなど既存シリーズよりスペック面でも優れており、ノイズキャンセリングもMOMENTUM True Wireless 2よりはるかに強力。
さらにCX True Wirelessからバスブーストモードで低音を強化できるようになっています。
元々低音の強いCX True Wirelessではあまり必要のない機能でしたが、CX Plus True Wirelessでは大いに意味あり。
低音の量感を調整できるようになったことでMOMENTUM True Wireless 1と2、両方のファンを取り込むことに成功したと思います。
音質・機能の両面で非常にコストパフォーマンスの高い1万円台TWSの定番と言える素晴らしいイヤホンです。
手の出しやすい価格なこともあってゼンハイザーイヤホンの中でも特にオススメです。
【CX Plus True Wirelessの詳細レビュー】
MOMENTUM True Wireless 3の特徴とおすすめな人
音質 | コーデック | ノイキャン | BASSブースト | |
MTW3 | ◎ 深い低音 |
SBC aptX |
◎ | ○ |
とにかく最高のTWSが欲しい人にオススメ
2022年にリリースされたゼンハイザー最新のハイエンドイヤホン。
Amazon販売価格は36000円前後。
有線高級イヤホン並の音質に超強力なノイズキャンセリング。
装着感も圧迫感を軽減してより軽い付け心地に改良されています。
全てが最高を更新した代わりに値段も大幅にアップ。
個人的には今すべての完全ワイヤレスイヤホンの中で一番のお気に入りです。
予算が許せばぜひ味わって欲しい高級有線イヤホン並の高音質。
【MOMENTUM True Wireless 3の詳細レビュー】