監督:ピエール・モレル
脚本:リュック・ベッソン
主演:リーアム・ニーソン
前回批評したリンカーン弁護士同様に敬遠していた映画『96時間』。
なぜ敬遠していたかといいますと、誘拐された娘をスーパーマンなお父さんが救出するというありふれたストーリーに興味を持てなかったからなんですが‥。
同じ理由で観ていない方も結構いるのではないでしょうか。
そんな96時間について色々とレビューしていきたいと思います。
あらすじ(ネタバレ無し)
国のために人生を捧げて生きてきた元工作員ブライアンは離婚した嫁との子供であるキムとの関係性を修復しようと必死だった。
娘の誕生日には念入りに調査して買ったとっておきのプレゼントを手渡しするも元嫁の再婚相手は超がつく富豪、プレゼント1つ取ってもとても勝ち目はなかった。
キムを大切に思う気持ちが空回りして過保護気味に接してしまうブライアンにキムも元嫁もうんざり。
なんせキムはもう17歳。
子供扱いはやめてほしいキムとブライアンに反発するように自由にさせようとする元嫁。
そんな折、悪友にそそのかされヨーロッパ旅行へ子供2人で旅立ってしまったキムに犯罪組織の魔の手が迫る。
旅行に来た若い女性に声をかけ、さらっては売り飛ばす人身売買組織だ。
彼らの罠に悪友はまんまとひっかかりついでにキムもさらわれてしまう。
売買が成立して引き渡され追跡不能になるまでの猶予は平均して『96時間』しか無い。
組織に拘束されたキムを救うためブライアンは元工作員の持つ特別な知識・技能を屈指して組織を追い詰める。
96時間のおすすめ度
あらすじだけ読むとありふれた感のあるストーリーと感じると思いますが、騙されたと思って一度視聴してみてください。
この映画、めちゃくちゃぶっ飛んでます 笑
途中までは某映画を彷彿とさせるような作りで、こんなもんかな?って感じなんですがタイムリミットが迫る中、ついに敵のしっぽに指先が一瞬触れてからのお父さんの鬼神っぷりったらもう。
笑ってしまうほど容赦なさすぎてコレが面白い。
スカッとするんです。
いい人すぎる、ヒーローっぽすぎる主人公とは違う、新しいヒーロー像をみたようなそんな素晴らしい作品です。
おすすめ度:★★★★☆(5点満点中)
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→96時間
批評(ネタバレ有り)
“ボーンのようでボーンでない”
リュック・ベッソン監督・リーアム・ニーソン主演の映画でUnknownという映画があります。
このUnknownという映画、そこそこ面白いんですがどうしてもボーンを彷彿とさせるんです。
ボーンより先に世に出ていたら評価も違ったかもしれないという作品でした。
(それ以前にストーリーに突っ込みどころが色々とある映画なのですが)
主演が同じリーアム・ニーソンであること、主人公が元工作員であることもあってこの映画も序盤はなんとなくボーンを感じるものがありました。
(Unknownは2011年、96時間は2009年の映画ですが)
しかし途中からは『娘を救うためならエッフェル塔だってぶっ壊す』を地で行く、容赦ないダークヒーロー的なお父さんへ変貌。
工作員として非人道的なこともやってきた、その部分を隠さない、むしろ全面に押し出して敵を追い詰めていくさまは爽快そのもの。
最近のヒーローはなんかぬるいよなーって思ってる方にはぜひ観てもらいたい作品ですね。
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