監督:モルテン・ティルドゥム
主演:ベネディクト・カンバーバッチ
久々の映画レビューです。
世間はゴールデンウィーク真っ只中ですが、いかがお過ごしですか。
僕も折角の連休なので映画の一本でも観たいなぁと思って選んだのがこの作品。
第2次大戦中に大変な功績を残すも歴史の闇に葬られた実在の人物のお話で、現代を生きる人にとって欠かせない「あるもの」の基を作った人でもあります。
歴史物・伝記物として中々に興味深い作品だったのでご紹介したいと思います!
あらすじ(ネタバレ無し)
イギリス軍は対独戦争において苦戦を強いられていた。
原因は解読不可能と言われるドイツ軍の暗号システム【エニグマ】。
交信内容が暗号化され、ドイツ軍の動きを傍受・把握することが出来ずにいたのだ。
そのため神出鬼没のドイツ軍の攻撃に対して被害は大きくなるばかり。
これを攻略することこそが勝利の鍵となっていた。
エニグマ解読のためにエリートチームが編成されることとなる。
その中でもひときわ変わり者で、そして天才的だったのがアラン・チューリングだ。
難攻不落のエニグマにアランはどう立ち向かっていったのか。
彼に立ちはだかる数々の試練と困難とは‥。
イミテーション・ゲームのおすすめ度
話の内容的に歴史スリラーのような感じで展開していきますが、しっかりとアランの半生を描いた作品になっています。
歴史物や伝記物が好きな方には文句なしにおすすめです!
ベネディクト・カンバーバッチの演技が素晴らしく、アラン・チューニングという人物がどんな人間だったのか、どのような思いを抱いていたのかが克明に描かれています。
逆にスリラーを期待してみると史実に沿って展開しているだけに盛り上がりに欠けるところもあって少し退屈するかもしれません。
おすすめ度:★★★★☆(5点満点中)
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→Amazon:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
批評(ネタバレ有り)
ここではこの映画のおすすめ度を1点減点した理由について書いていきます。
もう少しブレッチリー・パークの仲間との関係性について深堀したほうが良かったんじゃないかなと思うんです。
当初、変わり者で周りがどう思うかなんて気にもしないアランに周囲は冷ややかでした。
そんな関係性は割としっかりみせておいて、その変わり目についてはちょっと一言の会話をみせただけ。
次の瞬間には首にされかけたアランをみんなして庇うのは無理があるんじゃないかな‥と。
その先は想像してねってことなんでしょうけど、ここをもっとしっかり描いておけばジョン・ケアンクロスがソ連のスパイだったことがわかるシーンはもっと衝撃的だったでしょう。
その事実を上司のミンギスがわかっててあえてスルー(情報を操作)していたことを知ったときの寒気のようなものもグッ増したんじゃないかなと。
スリラーとしての面白さが物足りないのもその辺が関係していると思うんです。
映画の尺も2時間弱と、この手の映画としては決して長いわけではないのでもう少しアラン周辺の人物との関係性について時間をかけて描いてくれたら最高だったのになぁ。
とは言え、映画自体は素晴らしいものでした。
学校で教材として上映しても良いんじゃないかなと。
現代に欠かせないコンピューターの基を作り出したアラン・チューリング。
そんな教科書に載っても良いような偉人について映画という娯楽を通して触れることが出来るのですから。
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