僕は猫だった

オーディオマニアによるイヤホン/ヘッドホンのレビューブログ

失敗しない完全ワイヤレスイヤホンの選び方

完全ワイヤレスイヤホン(TWS)コレクターの猫居です。

今回のテーマは『失敗しないTWSの選び方』。

たくさんのTWSを買ってきたからこそわかる知識や経験をお伝えします。

TWSの商品説明を読んでも高いイヤホンと安いイヤホンがどう違うのか、中々わかりにくいですよね。

結局のところどのイヤホンも良い音で聴けますとしか書いていませんから。

その上、ネットではコーデックやBluetoothバージョンについて間違った情報・古い情報も散見されます。

その他にもノイズキャンセリングやマルチポイントなどややこしい名前がてんこ盛り。

この記事ではよくある用語の説明に終始するのではなく、実践的な選ぶ際のポイントを抑えて解説していきます。

完全ワイヤレスイヤホンの選び方、選ぶ際のポイント

ポイント1:音質

一昔前は完全ワイヤレスイヤホンで良い音は中々味わえませんでしたが、最近はどんどんレベルがあがってきています。

しかし全体的な傾向は高音の雑味を低音のボリュームで隠すような音作りがまだまだ主流です。

特に1万円以下の価格帯ではそういった傾向が顕著。

低音を盛った迫力重視の音を好む人のほうが圧倒的に多いそうなので問題ないと思いますが‥

(人は本能的に低音で興奮するという研究結果もあります)

すっきりした高音が聴きたい場合はある程度の予算(1万円以上)を組んだほうが良いでしょう。

1万円以内でそういったイヤホンはヤマハ TW-E3BNoble Audio FALCON 2などごく一部のみ。

(どちらも元々は1万円以上のものですが発売から時間が経って値下がり)

ポイント2:装着感

完全ワイヤレスイヤホンの種類はカナル型・インナーイヤー型・オープンイヤー型の3つに分類されます。

それぞれ装着感が異なりますが、ほとんどのイヤホンがカナル型を採用しています。

カナル型完全ワイヤレスイヤホン

カナル型完全ワイヤレスイヤホン

  • メリット:安定した付け心地と密閉感。音質も1番安定。
  • デメリット:耳栓をつけたような圧迫感がある。

現在主流のイヤホン形状。

音質的メリットが大きいです。

外れにくさや音漏れのしにくさを考えても外使用の多いTWSに向いています。

スティックタイプやイヤーフックがついているものは耳穴だけで支える通常タイプと比べて装着感が軽め。

耳栓のような圧迫感が苦手な人はそういったタイプを選ぶと良いでしょう。

左:スティックタイプ 右:イヤーフックタイプ

また2022年のTWS総括で書いたのですが、最近発売のイヤホンは全体的に装着感に配慮されたものが多いです。

装着感にこだわる人はなるべく最新のものから選んだほうが良いと思います。

インナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン

インナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン

  • メリット:圧迫感が無く付け心地が軽い。
  • デメリット:低音が死にやすい。音漏れしやすい。

EarpodsやAirPodsのような軽い付け心地が好きな方はこちらを選ぶといいでしょう。

ただ数はかなり少ないです。

(インナーイヤー型TWSのレビュー一覧)

有線イヤホンのインナーイヤー型のようにポロポロと耳から脱落してしまうことはありません。

その点はご安心を。

ほぼ耳に引っ掛けるだけの有線と違い、TWSのインナーイヤー型は耳のくぼみにはまるような形状になっている

遮音性が低いのでノイズキャンセリングとは相性が悪いです。

なのでANCを搭載したインナーイヤー型TWSもほぼ無し。

(多分レビューも1つしかしたこともないです)

オープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン

オープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン

耳穴を塞がない構造が特徴的
  • メリット:外音を聴きながら音楽が聴ける。所謂『ながら聴き』。
  • デメリット:インナーイヤーよりさらに低音が死にやすく音漏れもかなり気を遣う。

自分だけBGMが聴こえるような『ながら聴き』の爽快感が一番のメリット。

外音をカットしないのでジョギングなどにも向いています。

そこそこの値段するものが多いですが、あくまでながら聴きがメイン用途。

音質に過度な期待は禁物です。

ポイント3:アクティブノイズキャンセリング機能

現在では多くの完全ワイヤレスイヤホンに搭載されているアクティブノイズキャンセリング機能(ANC)

騒音ノイズをカットして音楽に集中することが出来ます。

『音楽を流していたら騒音なんて気にならないけど必要ですか?』

こんな質問を時々いただきます。

使ってみればわかりますが、ノイズキャンセリングの有無で音楽への没入感が全く違います。

騒音を音楽でごまかす必要もなくなるため、音量のあげすぎ防止にも役立つでしょう。

ただしノイズキャンセリングといってもその効き目はイヤホンによってピンキリです。

商品説明文からちょっとした目安をつけることもできますので紹介しておきます。

  • フィードフォワードorフィードバック式ANC=-28db~-32db
  • ハイブリッド式ANC=-35db~-38db
  • 独自開発のANC=-40db~

全ての商品説明にこういった文言が書かれているわけではありません。

あくまで目安としてチェックしてみてください。

一定以上強力なANCを体験したい場合は-40db以上、当ブログでのノイズキャンセリング評価でいうと『8』以上のものを選ぶことをオススメします。

ノイズキャンセリングイヤホンのANC強度比較表

cVc・ENCノイズキャンセリングとアクティブノイズキャンセリングは別物

cVc・ENCは通話時の雑音を取り除いてクリアな音声を相手に届ける技術です。

自分自身がノイズ低減の効果を実感することはありません。

時々『ENCノイズキャンセリング搭載!』等と謳って誤認を狙う中華業者を見かけますのでご注意を。

ポイント4:外音取り込み機能

イヤホンをしたまま外音が聞ける機能です。

『ヒアスルー』・『トランスペアレンシー』機能などと呼ばれることもあります。

駅でのアナウンス聞き取りやレジでのちょっとしたやり取りの際に便利。

ただし外音取り込み機能もイヤホンによって性能はピンキリです。

マイクで誇張したような耳障りな音の物からまるでイヤホンをしていないと錯覚してしまうような自然な外音を聞かせてくれるイヤホンまで様々。

こちらは残念ながら商品説明文から性能を見分けることは出来ません。

ストレスの無い『ながら聴き』をしたい場合には当ブログでの外音取り込み評価『9』以上のイヤホンを選ぶことをオススメします。

アナウンスの聞き取りなどピンポイントでの使用なら評価『5』以上あれば充分です。

外音取り込み機能搭載TWSのレビュー一覧

ポイント5:低遅延モード・ゲーミングモード

名前の通り遅延を少なくするモードです。

ワイヤレスイヤホンでゲームをしたい人には気になる機能ではないでしょうか。

各メーカー、ゲーミングモードで60ms(0.06秒)の低遅延!などと理論値を強調しておりますが‥

実際の使用環境で遅延を測定するとほとんどのイヤホンが100ms(0.1秒)を切ることはありません。

それってどういうことかといいますと、ゲーミングモードとはいっても音ゲーみたいなシビアなタイミングが要求されるゲームは厳しいということです。

0.05秒以上の遅延があると演奏が困難になるというヤマハの実験結果(⇓)もあります。

遅延のある演奏系での遅延の認知に関する実験とその考察(PDF)【https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=56015&file_id=1&file_no=1

ただ、逆にいえば普通のゲームや動画視聴であれば程度実用に足ります。

音ゲーなどにワイヤレスイヤホンを使いたい場合

Androidの場合

有線並の低遅延でプレイ出来るapt-X LL対応ワイヤレスイヤホンドングルを使った2.4GHzワイヤレス接続ができるゲーミングワイヤレスイヤホンを選ぶと良いでしょう。

ただし完全ワイヤレスイヤホンではどちらも1万円以上のある程度高価なものしかありません。

TWSから話が少し逸れますが安くaptXLL対応のワイヤレスイヤホンを購入したい場合は左右一体型のワイヤレスイヤホンを選ぶと良いです。

エレコム GrandBass LBT-GB41なら3000円程度で購入することが可能。

iPhoneの場合

iPhoneで音ゲーを完璧にこなすのは正直厳しいです。

遅延の多いAACでしか接続できず、aptX LLなどのコーデックが利用できないので。

ある程度の遅延を許容しつつプレイするならAirpods Pro (第2世代)がおすすめ。

Airpods ProはApple製品同士の組み合わせでのみ低遅延になります。

Airpods Proの遅延は126msなので普通のゲームなら問題なく遊べるでしょう。

ポイント6:マルチポイント

2台のデバイスに同時接続することが出来る機能です。

例えばPCとスマホを同時に接続して使うことができます。

WEB会議やテレワークをする人には特に有用。

音楽を聴いている最中に着信があったりしたときに切り替えの必要なく即座に受けられます。

マルチペアリング*と混同されることがあるので気をつけましょう

*複数の機器にペアリング登録できる機能。同時接続はできない。

マルチポイント対応のTWSはまだ数が少ないですが、最近はコロナ禍で生活に変化が出たためか対応イヤホンも増えてきています。

マルチポイント対応ワイヤレスイヤホンのレビュー記事一覧

ポイント7:コーデック

コーデックとは音声を無線伝送する際に使用するデータ圧縮方式のことです。

イヤホンと接続するデバイス(スマホやPC)の両方で対応している必要があります。

  コーデックの説明
SBC

基本のコーデック。
どの端末・イヤホンも対応している。
接続切れに強い。
昔は音が悪く遅延もひどかったため未だにイメージが悪い。
今のイヤホンでは音質も遅延も随分と改善されている

AAC 実質アップル製品専用コーデック。
iPhone×AirPodsのようなアップル製品の組み合わせで強みを発揮する。(低遅延)
音質的にはSBCと大きな違いはなく、遅延はSBCより大きい。
Androidで使用する理由はあまり無い。
aptX 昔の低品質だったころのSBCに比べると高音質で低遅延と言われていた。
現在では特に優位性はない
それどころかSBCに接続の安定性で劣る分、むしろ微妙とさえ言える。
aptX HD 高音質がウリ。
ハイレゾ相当(48kHz/24bit) の再生が可能。
現在ではaptX Adaptiveに統合されているため最新機種に対応のものはない。
aptX LL 有線並の超低遅延がウリ。
現在ではaptX Adaptiveに統合されているため最新機種に対応のものはない。
aptX Adaptive

低遅延と高音質を両立した最新のコーデック。
接続状況が悪ければ低遅延モード、接続状況が良ければ高音質モードにとオートで切り替わる。
高音質モードではハイレゾ相当(96kHz/24bit or 48kHz/16bit)の再生が可能。
低遅延モード時にはaptX LLほどの低遅延ではないが、SBCのゲーミングモード以上に低遅延。

ただし任意に低遅延モードで運用することは出来ない上、遅延もやや劣るのでaptX LLの代替品としての運用は望めない

LDAC

ハイレゾ相当(96kHz/24bit)の高音質再生が可能。
SONYが開発した高音質コーデック。
音の生音感がSBCとは明らかに違う。
しかし電池の消耗は激しい。
また接続切れに弱く、SONY製品以外のLDACは特に弱い
屋内専用と思ったほうが良いものもある。

iPhoneなどアップル製品を使う人はAACでしか接続しないのでコーデックを気にする必要はありません。

Androidをお使いの方はSBC・aptXAdaptive・LDAC。

基本的にはこの3つだけ意識しておけばOKです。

ポイント8:Bluetoothのバージョン

Amazonなどでワイヤレスイヤホンの商品ページを見ていると

『Bluetoothバージョンが5.0から最新の5.3になったので低遅延!なんとかが○倍!接続切れしにくくなった!』

こんなアピールに出くわしたことはありませんか?

あれ、ウソです。

Bluetoothのバージョンが5.0から5.3になっても別にイヤホンの性能は変わりません

音質ももちろん関係ありません。

遅延にはコーデックや低遅延モードの有無が関係してきます。

接続の安定性という観点では左右同時伝送できるTWSが登場してくる2019年半ばより前の物は選ばないようにしたほうが良いでしょう。

(この時期までのイヤホンは遅延も特に大きいです)

ポイント9:防水性能

ある程度外での使用が想定されるイヤホンなので防水性能も比較的重要です。

イヤホンの商品ページによくIPXという防水規格が書かれているので見たことがある方も多いかと思います。

実際の使用環境で必要な防水性能を書き出すと‥

IPX4(全方向からの飛沫によって悪影響を受けない)

多少の汗や雨にも安心。スポーツにも使えます。

IPX7(一時的に浸水しても内部に水が侵入しない)

お風呂で使っても安心。

IPX8(水中での使用が可能)

プールでも使える完全防水。

IPX8に関してはTWSでその条件を満たしているのはSONYのWF-SP900など極一部しかありません。

なお、イヤホン本体が防水仕様でもイヤホンケースは防水仕様ではないことがほとんどなのでケースは水に浸けないようにしましょう。

実際に完全ワイヤレスイヤホンを購入する際に気をつけたいこと

人気カラーだけどホワイトってすごく汚れます

素材によっては色移りしてしまったり‥

日常的に持ち歩く物なので時には落っことすこともありますよね。

毎日使っていればこんな風に他のカラーより汚れが目立ちます。

白を買うなってことではなく、持ち歩くときは袋に入れるとか他の色より気を使ったほうが良いというお話です。

AppleやSONYなどの有名メーカーならケースカバーが売っているものもあります。

オーディオ・ヘッドホン 5年 長期保証は本当に必要?

Amazon・eイヤホン・SONYストアなど、各販売店で購入時に+いくらか足して長期保証をつけるか選べるようになっていると思います。

でもそれって本当に必要でしょうか。

なぜこんなことを言うのかといいますと‥

  1. これらの保証はバッテリー寿命による故障は保証外だということ
  2. 完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー寿命は2年、長くても3年もてば良いほうだということ
  3. メーカー保証が1年、長いところでは1年半程付く場合もあるということ

以上のことを考えると長期の保証をつけても実際にその保証でカバーされる期間ってすごく短くないですか?

保証をつけないと安心できないという方もいるでしょうが、バッテリー寿命は対象外ということだけは覚えておくと良いでしょう。

もちろん、メーカー保証がつかない場合や非常に高価なTWSの場合は保険としてつけておくのは全然ありです。

中古で完全ワイヤレスイヤホンを買うのはコスパ微妙?

同様の理由でフリマアプリで中古の安い完全ワイヤレスイヤホンを買うのも少し考えもの。

バッテリーがヘタって思ったより長く使えなかった、なんて可能性は全然あります。

  • 新品15,000円
  • 中古10,000円

この条件でもし中古が1年しか使えなかったら‥

新品で買ったら2年は使えたであろうものですから逆にコストパフォーマンス悪いですよね。

フリマアプリで購入するときはいつ買ったものかどれくらい使ったものかきちんと把握できるものだけを選んだほうが良いでしょう。

Amazonで買ってはいけない地雷TWSの見分け方

商品名に『令和最新版』『革新』といったワード

粗悪な商品を売る中華業者が好んで使うワード。

地雷ワードとして有名になったせいか亜種も登場してきています。

業界最新版とか2022年新版みたいな感じです。

こういった名前が商品名の先頭に含まれていたらやめておいたほうがいいです。

商品画像のイヤホンからなんか雷が出てる

↑の画像のような雷がイヤホンから出ている商品も同様の傾向にあり。

やめておいたほうが良いでしょう。

完全ワイヤレスイヤホンの選び方のまとめ

ここまで書いてきたTWSの選び方から注意点だけ簡単にまとめます。

こんなはずじゃなかった‥を避けるためのチェックしとして。

音質

低音好きは低価格帯から楽しめる。

高音好きは予算1万円以上は見たほうが良い。

(例外:ヤマハ TW-E3BNoble Audio FALCON 2)

装着感

TWSではカナル型がメイン。

装着感にこだわる人は最新のものから選んだほうが良い。

理由はこちら

ノイズキャンセリング

ノイズキャンセリングの効き目はピンキリ。

強力ANCを体感したい場合は当ブログ評価【8】以上のものを。

ANC強度ランキング

外音取り込み機能

アナウンス等を聞くときだけに使うなら機能がついていれば大体何でもOK。

快適な『ながら聴き』をしたい場合は当ブログ評価【9】以上のものを。

外音取り込み機能対応TWSレビュー一覧

ゲーミングモード

ゲーミングモードでも遅延は0.1秒~0.15秒ほどある。

(イヤホンによって差が大きい)

音ゲーなどシビアなタイミングを要求されるものは厳しい。

普通のゲームや動画には使える。

マルチポイント

PCとスマホなど、2台同時接続が可能。

仕事もプライベートも1つのイヤホンで回せるメリットがある。

コーデック

aptXが高音質・低遅延は昔の話。

AndroidならSBC・aptX Adaptive・LDAC。

iPhoneはAAC。

これだけ気にしておけばOK。

Bluetoothバージョン

Bluetoothのバージョンでイヤホンの性能は変わらない。

気にする必要無し。

防水性能

IPX4あると汗や雨で故障せずに済む。

カラーの選択

白色は汚れやすいので扱いに注意。

長期保証をつけるか否か

電池寿命は保証外。電池の寿命は約2年。メーカー保証は平均1年。

5年もの保証が本当に必要か考えよう。

フリマアプリで中古TWSを買う

どれくらい使用されたか確認できるものだけにする。

電池寿命の関係で物によっては逆にコスパ悪い。

Amazonで避けたい地雷TWS

地雷避けワード『令和最新版・革新・イヤホン画像に雷』

完全ワイヤレスイヤホン選びの参考に

最後に自分がこれまでレビューしてきたイヤホンのおすすめをまとめた記事を貼っておきます。

よろしければこちらもチェックしていただけると幸いです。