完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。
今回はオーテクATH-TWX9とSONYのWF-1000XM4の比較です。
国産メーカーのハイエンド完全ワイヤレスイヤホン同士。
どちらも完成度の高いよく出来たイヤホンです。
それだけにどちらを選ぶか迷う方も多いかと思います。
音質やノイキャンだけでなく遅延の測定結果など、あらゆる角度から比較していきます。
ATH-TWX9とWF-1000XM4のスペック・特徴を比較
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
連続再生時間 | 約8時間 (ANC使用時) 約24時間 (ケース込/ANC使用) |
6時間 (ANC利用時) 18.5時間 (ケース込/ANC利用時) |
対応コーデック | SBC AAC LDAC |
SBC AAC aptX aptXAdaptive |
防水性能 | IPX4 | IPX4 |
機能 | ・ノイキャン(ANC) ・外音取り込み機能 ・ワイヤレス充電 ・急速充電 (5分→1時間) ・ボイスアシスタント ・DSEE Extreme ・スピーク・トゥ・チャット ・クイックアテンションモード |
・ノイキャン(ANC) ・外音取り込み機能 ・クイックヒアスルー ・マルチポイント ・ワイヤレス充電 ・深紫外線除菌システム ・AmazonAlexa搭載 |
専用アプリで出来ること | ・アダプティブサウンドコントロール ・風切り音低減機能 ・外音取り込み強度調整 ・イコライザー機能 ・装着感テスト ・操作の割り当て ・各種機能の設定 |
・イコライザー機能 ・低遅延モード ・操作の割り当て ・脱着検知のON/OFF ・ノイキャンのパーソナライズ (装着状態を測定してANC効果を最大化) ・ノイキャンの最適化 (環境音に合ったノイキャン強度を選択) etc |
機能が多すぎるので重要な機能には色をつけておきました。
色付きについては各機能を比較しながら説明していきます。
音質の比較
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
音質 | 8.8/10 | 9.2/10 |
音質は個人的にはATH-TWX9のほうに点数多めにつけています。
ですが、音の傾向が違うので好みで選べば良い範疇の差だと思います。
弱ドンシャリで味付けのしっかりしているWF-1000XM4。
対してATH-TWX9はフラット傾向でかなり真面目な音造り。
低音の余韻はWF-1000XM4に軍配があがり、高音はATH-TWX9の方が綺麗に鳴ります。
どちらもアプリのイコライザーで音を好みに調整できます。
クセのないサウンドな分ATH-TWX9の方がより多く人の好みにあった調整が可能です。
例えば、ATH-TWX9はプリセット『Bass Boost』を選ぶと同社人気シリーズのSOLID BASSシリーズのようなメリハリのきいたサウンドに様変わりします。
一方、WF-1000XM4の方は「DSEE Extreme」という機能で非ハイレゾ音源もハイレゾ相当にアップスケーリングして聴くことができる高音質化機能を持っています。
- ストリーミングがハイレゾ音源では無い場合
- 音源がmp3などの圧縮音源の場合
- スマホなどの再生機器がハイレゾ再生可能なコーデックに対応していない場合*
これらの場合はアップスケーリング機能のあるWF-1000XM4を選ぶのも有りでしょう。
*ハイレゾ再生するためにはWF-1000XM4の場合はLDAC
ATH-TWX9の場合はaptX Adaptiveにスマホが対応している必要あり
装着感の比較
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
装着感 | 7/10 | 9.5/10 |
ノイズキャンセリングの性能をあげるために密閉感を重視しているWF-1000XM4。
なのでWF-1000XM4はフィット感は抜群ですがカナル型特有の圧迫感もかなりあります。
一方ATH-TWX9は長時間つけてられるように軽さを重視しつつ確かなフィット感を確立しています。
長時間つけていてもほとんど耳が疲れません。
装着感を重視するならATH-TWX9の方がおすすめです。
ノイズキャンセリング比較
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
ノイズキャンセリング | 9.5/10 | 8/10 |
装着感を犠牲にした分、いやそれ以上にかな。
ノイズキャンセリングはWF-1000XM4の圧勝です。
ATH-TWX9は-40dbくらいの効き目。
これは強力ではありますし効果は確実に実感できます。
しかし、WF-1000XM4のノイキャンは業界最高クラス。
圧倒的なノイズキャンセリングを体感したいならWF-1000XM4の方がおすすめです。
外音取り込み機能の比較
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
外音取り込み | 9.5/10 | 9/10 |
どちらも優れた外音取り込み機能です。
イヤホンをしていないときの自然な外音に近い音。
若干ですがATH-TWX9の方がイヤホンをしていないときより音が小さく聞こえるところがあります。
WF-1000XM4はほぼイヤホンをしていないときと変わらない聞こえ具合。
外音取り込みの自然さもWF-1000XM4の方がやや上という結果です。
通話性能の差
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
通話性能 | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
マイクのクリアさ、自然さはATH-TWX9の圧勝。
WF-1000XM4も充分クリアではありますが、ちょっと機械音っぽい声になります。
ATH-TWX9の方がより周囲の雑音をシャットアウトしてクリアなボイスを届けることが可能です。
便利機能の違い
クイックヒアスルーの違いにみる便利機能の差
外音取り込み機能をとっさに呼び出す機能がATH-TWX9・WF-1000XM4両方にあります。
WF-1000XM4ではクイックアテンション、ATH-TWX9ではクイックヒアスルーと呼ばれる機能です。
ATH-TWX9はイヤホンを3回クリックすると機能の呼び出し。
WF-1000XM4はイヤホンに指を当てるだけで機能呼び出し。
切り替わる速度もATH-TWX9が一瞬間があくのに対してWF-1000XM4は即座に切り替わります。
たくさんのTWSを使ってきた中でもノイズキャンセリングや外音取り込み機能が生活に馴染む度合いはWF-1000XM4の右に出るものはありません。
自分の声に反応して自動で外音取り込み機能に切り替わるスピーク・トゥ・チャット。
これによりイヤホンを耳につけたまま機能切り替えなどの必要もなく自然に会話ができます。
通勤などのルートを登録して外に出たらノイズキャンセリングがON、お店に入ったときだけ外音取り込み機能が自動でONといったことも可能。
(=アダプティブサウンドコントロール機能)
非常に生活に馴染む便利機能に仕上がっています。
ATH-TWX9の強みは通話周りの高機能さ
一方ATH-TWX9の方は2台同時接続可能なマルチポイントに対応していて通話が非常にクリアというのが便利なところ。
仕事用もプライベート用もこれ1台で済むという点はWF-1000XM4にはない優れた便利さです。
ノイキャンや外音取り込みを生活に最適化させることを優先するか通話周りの高機能さを優先するかでどちらが正解か変わってきます。
データ比較
遅延
- ATH-TWX9:197ms
- WF-1000XM4:287ms
ATH-TWX9は約0.19秒、WF-1000XM4は約0.28秒遅延するという結果に。
低遅延モードがある分ATH-TWX9の方が遅延が少ないです。
ATH-TWX9はシビアなタイミングを要求されるものでなければゲームもOK。
WF-1000XM4は動画視聴程度なら問題無いくらいの遅延です。
(注)この測定環境では有線イヤホンで約50ms程度の遅延を観測します
重量
まとめ
WF-1000XM4 | ATH-TWX9 | |
価格 (Amazon) |
約25,000円 | 約30,000円 |
音質 | 8.8/10 | 9.2/10 |
ノイズキャンセリング | 9.5/10 | 8/10 |
装着感 | 7/10 | 9.5/10 |
外音取り込み | 9.5/10 | 9/10 |
通話性能 | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
評価をまとめるとこのような結果となります。
ATH-TWX9とSONYWF-1000XM4のどちらを選ぶかで特に重要なポイントは以下
音質面
- ドンシャリ好きならWF-1000XM4
- フラット寄りならATH-TWX9
性能面
- ノイキャン重視ならWF-1000XM4
- 装着感重視ならATH-TWX9
機能面
- 便利機能の快適さならWF-1000XM4
- マルチポイントや通話性能を重視するならATH-TWX9
もう1つ忘れてはならないポイントがありましたね。
発売されたばかりのATH-TWX9に対して既発のWF-1000XM4の方がだいぶ値段がこなれてきています。
なのでコストパフォーマンス重視でWF-1000XM4を選ぶのも全然アリです。
こんなところでしょうか。
どちらがおすすめと断言するのは正直難しいです。
好みによって正解が変わる、だいぶ性質の違うイヤホンだからです。
上にあげた違いからどちらが自分の好みに近いかで判断すれば満足のいく買い物になると思います。
外観や機能などの詳しいチェックは各イヤホンのレビュー記事よりご覧ください。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。